出版社内容情報
野上彌生子の代表作『迷路』完成に至る、終戦直後から昭和30年までの日記をもとに、日常生活と作品との関係を絶妙の筆致で解説。特に、未公開新資料、彫刻家飯田義國の従軍記「梨花」ノートを『迷路』の戦争部分の描写に活かしているのがよく分かる。『迷路』の草案は2・26事件頃からといわれ、戦後、彌生子が60歳をむかえてから本格的に書き始めて完成させた傑作で、前著と合わせてその作家と日常を赤裸々に描く。野上彌生子生誕120周年記念出版。下巻は昭和26年から30年まで。
内容説明
戦後(昭和21年~30年)の混乱期を女流作家はどう生きたか!その日記から読み解く。
目次
第6章 昭和二十六年(一九五一)(河出書房の古山さん;豊一郎の一周忌 ほか)
第7章 昭和二十七年(一九五二)(『異邦人』カミュ;議会見物 ほか)
第8章 昭和二十八年(一九五三)(『若き姉妹よ、いかに生くべきか』;「ライムライト」「雨月物語」 ほか)
第9章 昭和二十九年(一九五四)(息子たち;怪我 ほか)
第10章 昭和三十年(一九五五)(相馬黒光;ジョリオ・キュリーへの手紙 ほか)
著者等紹介
稲垣信子[イナガキノブコ]
1954年奈良女子大学文学部英語英文学科卒。東京都区立中学校英語教師・都立高校司書教諭を経て、実践女子大学、杏林大学、専修大学にて非常勤講師を勤める。文芸二人誌「双鷲」同人。筆名・楢信子
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