内容説明
本巻には、敦煌を舞台にして詠まれた大陸の詩を直接に論じたもの、敦煌の詩と日本の詩の関わりを論じたもの、そして敦煌窟造成の経過を考証したものを収録した。ことに、著者の1979年敦煌研究調査旅行以後に、これらの多くは書かれた。敦煌と日本文学について長年に亘って関わった研究者の目は、究極のところ、はるか敦煌のうたと敦煌窟を見据えることになったのである。
目次
第1篇 敦煌の風雅(敦煌風雅―中央アジアのうた)
第2篇 敦煌のうたと日本のうた(日本の古讃と敦煌曲子;日本の仏教歌謡の源流―敦煌の絵解き歌から;藤原俊成六時讃和歌と美福門院極楽六時讃絵―浄土変相画とその絵解き和歌 ほか)
第3篇 敦煌窟造成の考証(金碧の霊巌―敦煌窟龕造成資料ノート(一)
鳳楼の風鐸―敦煌窟龕造成資料ノート(二)
敦煌窟龕造成資料ノート続貂 ほか)