出版社内容情報
唐代文化を基礎づけた太宗の実録と群臣との対話を収めたもの
貞観政要は唐の呉兢の撰、全10巻。世界史上に輝く唐代文化を基礎づけた太宗の実録と群臣との対話を収めたもの。東洋の政治と文化を知る上で必読の書。わが国でも中世以後の武家社会で重んじられ、軍記物語などにも多く引用されている。本書は誤脱の多い刊本によらず、著者発見の唐鈔本系の古写本を底本とした新研究。
目次
貞観政要序
■巻一
君道第一
政体第二
■巻二
任賢第三
求諫第四
納諫第五
■巻三
君臣鑑戒第六
択官第七
論封建第八
■巻四
論太子諸王定分第九
論尊師伝第十
教誡太子諸王第十一
規諫太子第十二
■巻五
論仁義第十三
論忠義第十四
論孝友第十五
論公平第十六
論誠信第十七
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
83
この明治書院の体系シリーズはいくつか所有しているのですが、この本はなく図書館から借りてきました。抄訳の本を先日読んだばかりなのでこの本2冊で再読しようと思いました。読んでみると中国の人物論のような気もします。その中でその徳など政治の在り方などを詳しく説いていて参考になりました。読み方、通釈、語釈など詳しく書かれていますが私は通釈のみを通読しました。2019/03/30
mass34
11
太宗は、きちんと臣下の話が聞ける帝であり、名君と称されていることがよくわかる。それにもまして、諌議大夫である魏徴が素晴らしい。教養人中の教養人で、詩人でもある。魏徴は忠臣ではなく、良臣であることを望んでいたと。あぁ、自分ももう少し賢くなりたいもんだ。2018/02/03
だまし売りNo
5
本書は古来より帝王学の教科書として扱われてきた。現代でもビジネスパーソンに読まれている。創業以上に守成の大変さを説いている。やる気を見せて頑張ることを美徳とする昭和の精神論根性論を否定する意味で経営者が本書を好むことは良い傾向である。 2019/05/17
Heyryo Motoyama
2
世を統治するのは仕組みではなく人であると。家臣と君主の会話という内容であるので分かりやすい。君主が有能であるための条件が賢臣と出会うこと。その賢臣とはいつの時代においてもいるものであり、名君はそれを見つけることが出来る。 ただこの本は量が多い…エッセンス的に抜き出した本の方がいいかも。2016/11/03
鏡裕之
1
ある政治家だったか企業家だったかが絶賛していたので、上巻を読んでみた。この本を薦めるということは、相当真面目な方だったのだなあという印象。読んだ感想は、絶賛するほどではないなあというもの。古代中国の、儒教的な、人格論を政治に当てはめた考え方に基づいているのがよくわかる。2017/02/10