目次
日本語の動態(旧満州に残存する日本語―ある朝鮮族女性の談話;移住と方言の受容―愛知県豊田市の生え抜きと転入者を対比して;国語資料としての『翁問答』;『改訂増補 哲学字彙』の版種)
音韻の諸相(合拗音クワ残存地帯における知識層高年の保持様態と価値観―新潟県小千谷市を中心として;アクセント調査における「読ませる調査」と「言わせる調査」―山形県三川町における小調査から;感動詞の音調表記法について―三線記譜法のすすめ(「ああ」を例として))
文法研究の蓄積と展開(寛政版『和歌呉竹集』「てには大概」と『てには網引綱』―尾崎雅嘉のテニヲハ論;松下文法の活用論―文法論に原辞論は不要か;文の論理と体言文;名詞文についての覚え書;ディオンティック・モダリティをめぐって―言語行動の観点からの「しなければならない」の事例分析)
文法史の展開(語り手が顕在化した地の文―『源氏物語』と中世王朝物語;狂言「三人の長者」の諸台本に見る名ノリの指定表現の考察;口語サ変動詞の助動詞「まい」への接続の実態解明;中国地方における意志・推量形式の方言史―GAJと「田植草紙」との比較から)
語彙史の視点(語源研究における漢語;古代歌語源流考―「青」を中心に;上代の食物語彙―『風土記』を中心に;平安時代の公家日記のことばの文章史的性格―「兼日」の語構造をめぐって;広本節用集の典拠資料―田積・郡名表示を中心に;「背負う・担ぐ」語彙と『雑兵物語』の語彙の多元性・重層性―先行研究の再検討)