内容説明
外国語学習のさいなどに、日本人はことのほか文法にこだわるところから、日本人は文法好きだといわれる。しかし、日本語の文法の学習では、一転して文法嫌いになることが多いようである。これは、ひとつには、学校で教える文法が、形態的な整理に重点がおかれていて、ことばの実態を分析する基本的な姿勢に欠けているからではないかと思われる。本書では、日本語の表現の実情に即して、その文法的な性格を考察する。また、現代の語法や表現がつちかわれてきた状況についても考える。
目次
第1章 「文法」をめぐって
第2章 文の構成
第3章 文の表現
第4章 「語」の性格と用法
第5章 助動詞と助詞
第6章 近代の敬語と敬語意識
第7章 近代語の表現
第8章 近代語表現の諸相
第9章 近代の文体
著者等紹介
田中章夫[タナカアキオ]
1932年、東京・赤坂生まれ、麻布で育つ。東京教育大学大学院修了。香川大学学芸学部教官・国立国語研究所言語計量研究部室長を経て、1977年、大阪外国語大学外国学部教授。1987年から学習院大学文学部教授、現在にいたる。1980年、「国語語彙論の研究」により、佐伯国語学賞受賞。国語学会評議員。著書に「国語語彙論」(明治書院)・「東京語-その成立と展開」(明治書院)・「日本語の位相と位相差」(明治書院)・「標準語」(誠文堂新光社)・「日本語への招待(共著)」(秀英出版)・「同音語の研究(共著)」(秀英出版)・「類義語の研究(共著)」(秀英出版)などがある
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