出版社内容情報
36年の余りにも短い生涯で正岡子規が遺した歌稿「竹乃里歌」を中心とした全歌集に詳注を加えた一冊不治の病に呻吟しながら、「貫之は下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集に有之候」と言い放ち、「世の人は四国猿とぞ笑ふなる四国の猿の小猿ぞわれは」という自覚の下に和歌の革新を主張した正岡子規。彼が36年の余りにも短い生を終えた後には歌稿「竹乃里歌」が遺されていた。これを中心として、他の著述や書簡等により知られる作品を補った全歌集に、万葉集をはじめ、彼が批判しつつも摂取した古今以降の古典和歌にも目配りしつつ、詳注を加える。
凡例
本文
解説
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初句索引
村尾 誠一[ムラオ セイイチ]
昭和三十年東京都生。学習院大学文学部卒。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在東京外国語大学大学院国際日本学研究院教授。著書に『残照の中の巨樹 正徹』(新典社・平成十九年)、『中世和歌史論 新古今和歌集以後』(青簡舎・平成二十一年)、『藤原定家(コレクション日本歌人選)』(笠間書院・平成二十三年)など。
久保田 淳[クボタ ジュン]
1933年東京生。専門は和歌文学・中世文学。文学博士。東京大学名誉教授。著書に『花のもの言う』(新潮社)、『野あるき花ものがたり』(小学館)、『歌の花、花の歌』『ことばの森?歌ことばおぼえ書』(明治書院)、『隅田川の文学』(岩波書店)、『新古今和歌集全注釈』全六巻(角川学芸出版)など。07年瑞宝重光賞。13年文化功労者。
内容説明
不治の病に呻吟しながら、「貫之は下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集に有之候」と言い放ち、「世の人は四国猿とぞ笑ふなる四国の猿の子猿ぞわれは」という自覚の下に和歌の革新を主張した正岡子規。彼が36年の余りにも短い生を終えた後には歌稿「竹乃里歌」が遺されていた。これを中心として、他の著述や書簡等により知られる作品を補った全歌集に、万葉集をはじめ、彼が批判しつつも摂取した古今以降の古典和歌にも目配りしつつ、詳注を加える。