出版社内容情報
南北朝動乱のさなかに咲いた詞華の集
皇統が南朝と北朝に分裂し、貴族・武士、さらに神職や僧侶までも両朝のいずれかに属し、又はその間を離合集散して、日本国中が動乱の渦に巻き込まれた南北朝時代のさなか、南朝の宗良親王が撰した准勅撰集。各地を転戦する厳しい現実を反映させた歌などを含みつつ、王朝盛時の平明で優雅な調べを希求する二条派の歌心が基調をなしている。昭和前期の戦争の時代には偏った享受がされたこの集を政治的イデオロギーから解き放ち、その文芸性を掘り起こす詳注を施す。
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初句索引
【著者紹介】
昭和二八年岐阜県生。東京教育大学文学部卒業。名古屋大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、皇學館大学文学部教授。著書に『続後拾遺和歌集』(明治書院・平成九年)、『中世勅撰和歌集史の構想』(笠間書院・平成一七年)、『光厳天皇』(ミネルヴァ書房・平成二六年)など。
内容説明
皇統が南朝と北朝に分裂し、貴族・武士、さらに神職や僧侶までも両朝のいずれかに属し、又はその間を離合集散して、日本国中が動乱の渦に巻き込まれた南北朝時代のさなか、南朝の宗良親王が撰した准勅撰集。各地を転戦する厳しい現実を反映させた歌などを含みつつ、王朝盛時の平明で優雅な調べを希求する二条派の歌心が基調をなしている。昭和前期の戦争の時代には偏った享受がなされたこの集を政治的イデオロギーから解き放ち、その文芸性を掘り起こす詳注を施す。