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出版社内容情報
ジャック・デリダ[ジャック デリダ]
著・文・その他
西山 雄二[ニシヤマ ユウジ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
喜木海弐
1
当たり前だけど前提知識がかなり必要、私は哲学に疎い人間だから分からない単語を分からないままで読み進めた、飛ばし読みに近いかもしれない。この本の最初の方では昔々に扱われた嘘と呼ぶ行為の範囲を紹介しており、意図と利益というのが嘘の要件に含まれていることを考えるとかなり狭義な嘘である。次に第二次世界大戦後の戦争犯罪への明言をしたか否かというような話になってくる。この明言が社会体制にまで広がってくるようだ2024/08/19
代拿邁人☆
1
デリダが、歴史、想起、読むこと、反復、証言に同型の問題(反復によって遡及的に同一性が構成されること)を見ていることは分かったが、全体としては上手くテーマを掴めなかった…2023/02/06
毒モナカジャンボ
1
ニーチェが真理を廃棄するために持ち出した誤謬と嘘の分解から始まる「嘘の歴史」への試み。アウグスティヌスの嘘論に基づいて嘘とは志向性の問題であるとし「嘘であるもの」への探求を断絶する。厳格主義のカントと妥協的なコンスタンの対立は、政治における嘘をめぐるアーレントの言説を巡ってさらに複雑になる。国家が過去の過ちを認めた時(それが可能であるとして)、過去の国家に責任を持つものたちは嘘をついていたと言えるのか?メディア技術は真理を残すか?講義録でめちゃくちゃ性急に話すので速が凄い。『政治と真理』はかなり大事そう。2019/06/29
こややし
1
20年前の講演の記録だけど、今の日本で読んだって事で、面白かったのは、アレントの「真理と政治」が引かれ、現代の嘘のタイプとして歴史修正が上げられていること。「現代の政治の嘘は決して秘密ではなく、実際にはあらゆる人に知られている事柄を効果的に扱う。このことは、現代史の書き換えを、その目撃者だった人々の目の前でおこなう場合において明白である」。そしてカントの嘘をつくことが社会を不可能にするとの議論を元に、ユダヤ人迫害へのフランスの責任を認めたシラク、村山談話の反省と謝罪を評価する。2017/04/03
Mealla0v0
1
嘘というよりは、嘘をつくことが問題なのであり、というもも、嘘は意図的=志向的なものだからである。▼デリダはアレントやルソーを参照しつつ、「嘘をつくこと」について哲学的な分析を加えてていく。政治的フィクションや無知による妄言は問題にはならず、いわば悪意による嘘が問題なのである――と言う。▼抽象的な議論が目立つが、政治的な症候としての嘘つきなどの指摘は面白い。ただし、実際にこの議論が「使えるのか」と言われたら、わたしは首を傾げるが。2017/02/22