出版社内容情報
アルヴィン・H. ローゼンフェルド[ローゼンフェルド]
著・文・その他
金井 和子[カナイ カズコ]
翻訳
内容説明
ヒトラーとははたして誰か?この悪魔的存在の死後、現代社会においてヒトラーをめぐるイメージは嫌悪すべきもの、コミカルなもの、ありきたりなものとしてさまざまに変容し、いまだに生き残る神話的存在として表象されている。ヒトラーのイメージをつくりあげる現代的からくりを暴きだし、その象徴性を打ち破る刺戟的な批評集。
目次
第1章 帰ってきた総統
第2章 事実からフィクションへ
第3章 史実に「即すこと」、史実から「外れること」
第4章 悪のもつ魅力
第5章 ヒトラーの凡人化
第6章 ヒトラー、ユダヤ人、正義
第7章 ポップ・カルチャー、政治、邪悪なイメージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
9
ヒトラーがその死後、どのようにフィクションで取り扱われていったかを論じたもの。とはいえ著者が正義と道徳に比重を置いているため、冷静な論の進め方が出来ているとは言い難い。作品によっては、下らないとか完全に個人の意識が入っているし。こういうものはそういう主観を排して、冷静に論を進める必要があるのではないかと考えた。後、取り扱われている小説は、『ブラジルから来た少年』『鷲は舞い降りた』以外ほとんど読んだことが無いものばかりだったので、その中でのイメージがつかみにくかった。これは完全に私の不勉強が原因なんだけど。2012/06/19