なぜならそれは言葉にできるから―証言することと正義について

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なぜならそれは言葉にできるから―証言することと正義について

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622088530
  • NDC分類 934
  • Cコード C0036

出版社内容情報

暴力をうけた人は、それを話すことができるだろうか。周囲の人はそれを聞くことができるだろうか。
暴力は、日常の「こうであるはずだ」という約束を壊す。世界で生きていく前提が崩れてしまうのだ。だから、何が起こったのかを認識するのにとても時間がかかる。その話を聞いた人も、言われたことを即座に理解することはできない。
けれども、暴力は世界中で蔓延し、ある日突然被害者になる人は増え続けている。世界への信頼を打ち砕かれた人が、ふたたび世界へと戻って来られるために、私たちは何ができるだろうか。
著者エムケは戦地を取材し、さまざまな人と出会う。そこから、「語ること」「聞くこと」「聞いたことを伝えること」について考えていく。
語ることを強いるのではなく、言葉にできないとするのでもなく、「それでもなお語る」ことを探ること。口ごもりながら、断片的に語るとき、そこには空白があり、謎があるかもしれない。だからこそ「それ」は言葉にできる。
語りの首尾一貫性ではなく、聞く人が「それ」を聞けるかが、世界への信頼を取り戻す鍵となる。
出会った人々の言葉とともに、旅するエムケの生活や思い出が、普遍的な考察へとつながっていく。温かく、深みのあるエッセイ。

内容説明

暴力をうけた人はなぜ、「それ」を言葉にできなくなるのか。語りの断絶を見つめ、世界への信頼を取り戻す道を探る。それでもなお語り、聞き、言葉にすることへの賛歌。

目次

「なぜならそれは言葉にできるから」―証言することと正義について
他者の苦しみ
拷問の解剖学的構造
リベラルな人種差別
現代のイスラム敵視における二重の憎しみ
故郷―空想上の祖国
民主主義という挑戦
旅をすること1
旅をすること2―ハイチを語る
旅をすること3―旅のもうひとつの形について

著者等紹介

エムケ,カロリン[エムケ,カロリン] [Emcke,Carolin]
ジャーナリスト。1967年生まれ。ロンドン、フランクフルト、ハーヴァードの各大学にて哲学、政治、歴史を専攻。哲学博士。『シュピーゲル』『ツァイト』の記者として、世界各地の紛争地を取材。2014年よりフリージャーナリストとして多方面で活躍。『メディウム・マガジン』にて2010年年間最優秀ジャーナリストに選ばれたほか、レッシング賞(2015年)、ドイツ図書流通連盟平和賞(2016年)をはじめ受賞多数

浅井晶子[アサイショウコ]
翻訳家。1973年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

29
著者は様々なトピックについて触れる。トラウマを越えて証言すること、ムスリムへの差別、旅をすること……共通点を(無理矢理に?)見出すならそれは「未知のものを既知の中に見出す」作業の謂ではないかと思う。例えば私はしばしばムスリムをテロリストとして捉え、その反動として(?)信心深い人たちと捉える。だが、それは単に「俗情」(大西巨人)をなぞったものにすぎない。彼らについてもっとよく知り、考えてそこから言葉にすること(その過程に困難さがあるとするならそれはなぜか考えること)。そんな繊細な作業に私たちを誘う一冊と思う2022/02/13

くさてる

25
暴力を受けた人はそれを話すことが出来るだろうか。ホロコースト、ハイチ、ユーゴスラヴィア、アブ・グレイブ、さまざまな場所と時間で暴力の犠牲となった人々は、どうやってその言葉を手に入れることが出来るのだろうか。戦地を取材したジャーナリストの真摯な問いかけに、わたしも読んでいて言葉に詰まる思いになった。聞き手となり語り手となり、あらゆる種類の暴力が組み伏せてきた感情をかたちにする困難さをどう考えていけばいいのか。凄惨な状況も登場しますが、それでもグロテスクさはないのです。静かで冷静で祈りのような文章です。ぜひ。2020/05/23

kei

17
ジャーナリスト、カロリン・エムケのエッセイ。被害者の声を聞くこと、というのはただ話を聞くだけではなく、被害者が「話すことができる」ようにならないと声を聞くことはできないということも含め、難しかったですが、偶然図書館で見つけて読むことができて良かったです。2020/04/27

チェアー

16
「言語に絶する」と安易に逃げてはいけないんだなと思い知らされる。その言葉にできない光景や経験を、言葉にしようとする努力をすることが必要なのだ。もしその人が言葉にできないのなら、バトンを受け継いだ別の人が言葉にしなければならない。人間が残すのは記憶と記録しかない。言葉がなければ、人間のかなりの部分は損なわれてしまうのだ。2019/12/29

ケイトKATE

16
注目すべきドイツの女性ジャーナリストのエッセイ。でもエッセイと称するには本書は重い内容が書かれている。本書の大きな主題として、暴力を受けた被害者から証言を得ることの難しさである。暴力は被害者の肉体を傷つけるだけではない。暴力はその体験を被害者自身の心の内に閉じ込めてしまう。それゆえに、被害者が言葉にするのは暴力の衝撃が障害となっている。必要なのは、私たちが被害者の言葉を傾け、紡いでいく手助けをすることである。2019/11/13

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