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出版社内容情報
〔アメリカにおける構造主義とポスト構造主義の受容〕アメリカ文学批評の伝統を背景に、新たな系譜図を構築するとともに、フーコー、テリダの思想的影響をも脱構築する大著。
内容説明
ニュー・クリティシズムから脱構築(ディコンストラクション)へ―。アメリカ文学批評の伝統を背景に、さまざまな批評家たちの思考をたどり批評の新たな系譜図を構築しようとする。そこに独特に屈折する抑圧や無意識の欲望をかぎとり新鋭批評家のかぎりなき力業。アメリカ文学批評の経験論的・懐疑論的傾向を鮮やかにえぐりだし、フーコーやデリダの思想的影響をさらに脱構築的に分析する辣腕のディスクール。
目次
経験論の諸方法
ニュー・クリティシズム
文学批評に対する文化の影響
批評的視野における推移
構造主義(理論と方法;受容と批判)
ポスト構造主義(フーコー、ラカン、アルチュセール;デリダ)
アメリカにおける脱構築
脱構築―批評の背景
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹花 樒 - Shikimi Takehana
2
バーマンはアメリカにおける文学批評は経験論の枠組で展開されるとする持論を出発点にロック的経験論からヒューム的懐疑論への移行のプロセスとの相似から通時的変化を共時的に素描していく。方法論を欠いたニュー・クリティックらが輸入した構造主義が自律的主体を否定する決定論であった故にポスト構造主義という名の懐疑主義へと変質し、言語を自律的主体として特権化するデリダの審美的なロマン主義美学を震源地に、詩化された言語を詩として誤読する脱構築批評がやがてアメリカ化された実存主義へと向かっていく様子をバーマンは指摘していた。2011/05/26
urza358
2
20世紀文学批評史をロック的経験論、ヒューム的懐疑主義、ロマン主義、カント美学といった古典的概念を補助線として峻烈に描き出す。現代批評を鳥瞰したいすべての若者の羅針盤となりうる良書。2009/10/31