出版社内容情報
宮城県仙北地方に伝わる昔話を約一二〇話収める。村の古老を訪ねて語り口のまま採集した本書は、幾世代にもわたり語りつがれてきた貴重な庶民の文化遺産。方言一覧表を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itokake
8
方言が濃く、慣れるまでに100pほどかかって苦戦した。タイトルは「むかしむかしあるところに」の意。有名な昔話「笠地蔵」で、スゲガサが足りず手ぬぐいを被せるところがあるが、ここではふんどしを使用。これが面白いし、物語として必然。「おばんつァん(お婆さん)ぬ洗って貰ったばり(ばかり)だがら、くしェぐねェ(臭くない)ど思うげんども、どうが、我慢すてけらえン(我慢してください)」そして夜、地蔵たちが爺を探しに来る。「ふんどしに怒ってる」とあわてた爺さんは「私です」と名乗り、地蔵達は爺の家がわかった。2022/02/11