感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
35
文字の価値。翼として、楯として。◇今回は風土記日本・残酷物語完読記念で、全集版での再読。背景情報が増やせたからだろう、また新鮮で楽しい。◇同じように主体的に村にかかわり、生活を楽しむ素晴らしい人々。紹介していくにあたって、宮本は文字を持つかどうかということに注目する。新しい農法を取り入れ村づくりに奔走し、そして柳田への民俗報告で全国の仲間とつながった福島の高木氏と島根の田中氏にとって、文字は外界への窓であり翼だ。騙されぬよう必死で覚えた左近翁にとっては、外界から身を守る楯だ。◇書くことは、自由になること!2015/12/29
アメヲトコ
9
1971年刊(原著60年刊)。学生時代に岩波文庫版で読んで深い感銘を受け、私の中では人生ベストワンというべき著作ですが、改めて著作集版で読み直してみてその思いを新たにしました。とりわけ冒頭の「対馬にて」の、映像が浮かぶような叙述は印象深く、現代の私たちが失ってしまった時間や空間の感覚を教えてくれます。なお「川目の話」以下の4章は著作集収録にあたっての増補で、こちらは文庫版には収録されていないものです。2024/10/28
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- 和書
- 1970年20歳