出版社内容情報
ウィルソン 夏子[ウィルソン ナツコ]
著・文・その他
内容説明
言葉の可能性を追求し、ことばの実験に大胆に挑み、なにものにもとらわれない独創的な表現で20世紀を代表する作家として不滅の地位を築いた文学の母の生涯。
目次
生まれたのは、変な感じ
言葉の音感教育
壁紙の花と、独裁者
人生は、価値があるか
つまらないことは、つまらない
こんな風に証明された愛
フジヤマ、ゲイシャ、そして浮世絵
居間は美術館
ピカソとの出会い
言葉のオーケストラ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
42
文学における全き先駆者にして芸術の優れた目利き。現代の尺度で考えても圧倒的に規格外な存在だ。況や100年前に於いてをや。人生は自由に生きるが勝ちよと囁かれた気がします。2015/12/26
ゆきのすけ
3
本を読んでいるうちに繋がってゆく線が、またひとつ新しい線を結んだ。筒井康隆が引用した一文から、ガートルード・スタインを知り、『スープオペラ』に出て来たアリス・B・トクラスとガートルード・スタインが繋がり、ガートルード・スタインとヘミングウェイ、ピカソがまた線で繋がっている。世界は狭い、なんて言うけれど、そのとおりで、こういう風に繋がりを感じられるのが楽しい。彼女の独特な文体は新鮮で、不可解で、そして興味深い。彼女の作品を近いうちに読んでみたい。彼女の強い自信に、そして作品に私は敬服した。2010/12/04
Shun'ichiro AKIKUSA
1
人名表記に改善の余地あり。ウィンダム・ルイスとか。2016/08/23
wanted-wombat
1
まるで作り話かのような人間関係に驚き。ピカソ、ヘミングウェイらと交友関係を持ち、さらにはジョイスをライバル視する。彼らの名前は今や多くの人に知られているというのに、この国でガートルード・スタインの名前を知る人口はそれに比べ遥かに少ないのは非常にもったいないように思う。その原因の一つに、翻訳が果てしなく難しいということがあるのは間違いなさそうだ。彼女の文学は英語のそれであり、他の言語に変換されたとしてもその魅力は微塵も伝わらないのだろう。2013/02/14
左脳
1
読んで、読み、読んでいて、読んだ。2008/09/20