出版社内容情報
〔日系カナダ漁民の記録から〕明治39年、宮城県の農村から密航船水安丸で海を渡った人々の生涯と、差別と闘いつつカナダ社会に生きてきた二世たちの姿と心を描いたドキュメント。
内容説明
明治39(1906)年9月1日、延城県牡鹿郡萩ノ浜から一艘の帆船が沖合いのもやの中に消えていった。―密航船水安丸である。故郷に錦を飾ることを夢みて海を渡った83名(女性3)の人びとの、それぞれの人生を追いながら、差別と闘いつつカナダ社会に漁民として生きる権利をかちとっていった二世たちの姿と心を描いた、宗教学者による異色のドキュメント。
目次
1 密航船 水安丸―甚三郎の夢
2 ドーン・アイランド―及川島の思い出
3 フレーザー川の岸辺―バック・T・スズキの物語
4 流れに抗して―吉江三郎の生涯
5 終章―木川田あきの人生