出版社内容情報
〔ある劇団の原爆殉難記〕広島で原爆を受けて全滅した丸山定夫以下九名の移動演劇“櫻隊”の悲惨な死を、あらゆる資料・証言・実地踏査などを通して記録した感動的な鎮魂の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
29
歴史。戦時中、移動劇団という組織が存在した。その中の一つ、櫻隊の話。移動劇団は何かから始まり、隊が全滅するまでの一部始終を記録。もっとも即死された人たちについては憶測なのだが。どうしてこの本を読みたかったのかは覚えていないが、読んでいてちょっと運命を感じた。一つ目は、この本が、著者本人が私の住んでる区に寄贈されたものだったこと。二つ目は、この櫻隊の遺族会が私の住んでいる区にあったこと(現在もあるのかは不明)。三つ目は、櫻隊の慰霊碑が、私が働いている職場の近くにあること。慰霊碑には、近々行きたい。2022/10/24
0717
12
俳優丸山定夫を隊長とする移動劇団櫻隊。中国地方の慰問公演で広島市内の宿舎に待機中、原爆投下にあう。即死を免れた丸山の無念の最後、宝塚出身で映画「無法松の一生」に出演した清純、可憐で妖しいまでに美しい園井恵子の終末、被災後何とか東京までたどり着いた仲みどりは東大病院に入院、手厚い看病の後、世界で初めて名付けられた「原子爆弾症」での初めての死者になりました。2020/03/29
Hiroki Nishizumi
5
ひとの定めとは分からない。移動劇団としては広島で被爆するとは夢にも思わなかっただろうな‥‥2017/10/03
つんこ
3
阪妻の「無法松の一生」を見て、戦中にこんな映画を作っていたということに驚き、園井恵子さんが美しくてググッてみたら被爆でなくなっていたことなどを知った。爆心地から750メートルのところにいても、最初は大八車が引けるほど元気で、神戸や東京まで移動できた人たちが急に高熱を発し、劇団の団員がひとり残らず死んでいく様。原爆症の容赦のなさに驚いた。2022/08/10
-
- 電子書籍
- 【単話版】ポンコツ王太子のモブ姉王女ら…