出版社内容情報
村松 安子[ムラマツ ヤスコ]
著・文・その他
内容説明
経済開発の過程で女性はなぜ負の影響を多く受けてきたのか。アジアの農村地域での事例研究等を基に、真の人間開発実現のために、マクロ経済学・経済政策にジェンダー視点の導入が必須であることを論究。その導入点として「ジェンダー予算」分析を提示する。
目次
序章 新しい分野としての「ジェンダーと開発」
第1章 開発・ジェンダー・エンパワーメント
第2章 女性と社会開発―理論と政策的課題
第3章 経済危機のジェンダー分析と日本のODA
第4章 農村転換期における女性―WIDの視点から
第5章 マクロ経済政策とジェンダー―非対称性への挑戦
第6章 マクロ経済学のジェンダー化を目指すジェンダー予算―概念・経験と課題
第7章 転換期中国の女性―女性学の成立と期待される女性の経済的役割
第8章 インドネシアの女性―社会・経済発展の担い手としての女性と女性政策
第9章 日本の私企業部門における女性の雇用管理―主要企業一〇社の事例
著者等紹介
村松安子[ムラマツヤスコ]
1937年静岡県に生まれる。東京女子大学文学部社会科学科卒業、アメリカ合衆国ブリンマー大学大学院経済学研究科博士課程修了。2005年3月まで東京女子大学文理学部教授。専攻は開発経済学、ジェンダーと開発論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みか
4
本書によれば、エスター・ボズラップの『経済開発における女性の役割』(1970年)が「女性と開発」「ジェンダーと開発」論の基礎である。当時、初期の開発経済学に対して新古典派、改良主義、従属学派などが疑問を提起し、代替可能なパラダイムを提案したが、開発過程を女性・ジェンダーの視点から捉える試みは皆無だった。ボズラップは、男性中心の開発(近代化)によって、女性が周辺化=開発過程から除外され見えない存在となっていることを立証した。しかし、経済学のジェンダー化が大きな流れとなるには、非常に長い時間が必要だった。2008/05/26
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