出版社内容情報
〔『現代政治の思想と行動』追補〕英訳版『現代政治の思想と行動』著者序文、「憲法第九条をめぐる若干の考察」「近代日本の知識人」の三篇と英訳版に寄せられた外国人の書評5篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aki
1
『現代政治の思想と行動』英語版序文と「憲法第九条をめぐる若干の考察」「近代日本の知識人」の3本を収める。「考察」「知識人」とも残り数ページのところから、俄然ヒートアップするので、あと20~30枚書いてほしかったな。英語版に対する海外での批評が何本か収録されている。サイデンステッカーの超辛口のコメントがおもしろい。「さまざまな観念がこんぐらがった彼の文章」「ドイツ人的な主知主義にもかかわらず、情緒的な判断の偏好という点で、同輩たる日本知識人以上でもなく以下でもないことを明らかにする」と。丸山が嫌いなのね。2011/08/14
やまべ
1
「昔書かれたものなんだなぁ」と感じることと「古くさいなぁ」と感じることはまったく別なのだ、と思わせる。執筆した時代の状況に制約されているのは間違いないことなのだけど、いわばその制約を乗り越えようとする姿勢が今読んでもいきいきしているからなのだろうという気がする。追補ということになっているけど、独立して読んでもいいかも。後半、外国の評者による批評は本編を読んでいることが前提になるけど。2011/02/03
丸坊主
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だいぶ古い本なのに、憲法改正論議に湧く今、改めて読んでおくべき本であるように感じました。字体の割に読みやすく感じたのは、時勢による影響でしょうか。私としては意外でしたが、内田樹氏他による「9条どうでしょう」との読み合わせがいいように感じました。2013/03/01
wanted-wombat
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『現代政治の思想と行動』に対する欧米の批評が、同作品を深く理解させてくれるのではないか2013/02/02
K_1
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未来社『現代政治の思想と行動』になく、オクスフォード大学出版部(英語版)『現代日本政治の思想と行動』にある二篇に「近代日本の知識人」、西欧雑誌の書評「日本と西欧の対話」を加えたもの。「憲法第九条をめぐる若干の考察」においては改憲問題の焦点を第九条に絞り、改憲問題が歴史的に政治問題化したところから始め、45・46年時点での歴史的文脈から「平和主義」、第九条前文に生存権を絡め考察し、国際政治の発展傾向を眺め従来の国家制度的レベルのみに念頭を置く政治的視野狭窄に陥らぬよう注意を喚起し結論付ける。2012/05/03