内容説明
新年に餅を供え食べることを拒否する餅なし正月の習俗を緒口に、イネの文化に対抗する異系異質の文化体系を立証。日本人のもう一つの世界観を探る。文化の重層的構造。
目次
単一文化の条件
柳田国男の農耕文化論
畑作儀礼研究の計画
餅なし正月の背景―イモと日本人(一)
イモと餅の象徴―イモと日本人(二)
畑作文化の確認―イモと日本人(三)
補篇 万葉時代の地域社会(東国篇)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
10
自分は民俗学ではないところから柳田に入ったので、柳田が稲作文化の研究者であるとは思わなかった。初期の巫女考とか被差別部落を最初に読んだから、むしろポストモダン的というかポストコロニアリズム的なものを感じた。ところが定本が出る前はそうした文章は入手困難だから、民俗学者たちはより方法論的に固定した民俗学の方から入った。その方法に稲作文化一元論がこびりついていた。確かに空間上の差異をすべて発展段階の早い遅いに置き換えるには、一元論が前提になる。重出立証法にかぎれば、単一民族説に接合しやすい構造になってたと言える2021/02/23
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