出版社内容情報
〔アラブ世界の女たち〕アラブ世界に今なおとり行われる割礼などの野蛮な風習から、女性に対する政治・経済・文化的抑圧を抉り出し、女性の解放と自由を執拗に問う苛烈なる論考。
内容説明
割礼、多妻制、男性への絶対服従、処女性の強要。古えからの法と理想によって歪められ続けた女性像から、真の女らしさを取り戻すために、アラブの女性は闘い続ける。比類なき勇気の宣言書。
目次
第１部 切られる半分（誰も答えてくれなかった疑問；女児への性的攻撃；奇妙な振舞いの祖父；不当な裁き；「名誉」、この薄い膜；女子の割礼；反啓蒙主義と矛盾；私生児と売春婦；堕胎と肥沃；女らしさ、美、愛についての歪んだ概念）
第２部 歴史の中の女たち（アダムの十三番目の肋骨；神なる男と罪深い女；ファラオ時代の女；奴隷の解放、しかし女には解放はない）
第３部 アラブの女（アラブの歴史における女の役割り；アラブ人の生活における愛と性；アラブ文学の中のヒロイン）
第４部 突破口（アラブ女性解放の先駆者たち；労働と女；結婚と離婚）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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34人類の歴史が、女性の低い地位と永年の抑圧は社会経済制度に由来しているということを繰り返し証明したにもかかわらず、今日でもなお多くの作家や分析者たちは、宗教がその根本原因であると主張している。このことは特に、西洋の論者について言える 37 アラブの女たちの解放は、抑圧の根本原因と、抑圧に至る諸条件が一掃されない限り、成し遂げられない。真の解放とは、経済、政治、性、文化を問わず、全ての形態の搾取からの自由である。（1977年）2017/11/11
名前氏
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非ムスリムが考えるようにイスラム教徒が特別に女性蔑視をするというのはウソで、様々な宗教は女性を低く見ることを含んでいた。ていうか純粋に宗教的な求道をした人もいたのかもしれないけど、それは一部であって人間は宗教を経済的、性的な搾取の手段に使うためにありとあらゆる手を尽くしてきたということがわかった。特に資本主義はなんだって手段にしてしまう。それから著者がこの本を記した当時のエジプトの女性への社会的な制度的暴力が苛烈すぎたのもあるが、著者は女性は団結して組織を作り力を持つべきだと書いてある。集団行動苦手… 2020/04/26
