フィロソフィア双書<br> ドン・キホーテをめぐる思索

フィロソフィア双書
ドン・キホーテをめぐる思索

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784624020217
  • NDC分類 963
  • Cコード C0000

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

35
「めぐる」というのがくせ者で、『ドン・キホーテ』を生んだ歴史的土壌のようなことを抽象的に語っています。ギリシャ的伝統における叙事詩の、擬古的で起源や原因がそれ自身の内に含む質的な古さに着目します。詩人はそれ自体が実現であり、掛け替えのない創造物であるところのものを「叙述」します。他方、小説は抽象的には既に知っているが、人間類型を代表する具体的な現れとして現在を「描写」しています。騎士道物語は、叙事詩的性格を受け継いでいるが、小説との双方の世界が互いに傾斜面で接している稜線だといいます。2019/02/06

しゅん

11
オルテガにとっての哲学は、性的快感や美的享楽と同じように生の放出だった。本書は『ドン・キホーテ』のテクストに入り込んで、その魅力を微分していくような文学論ではない。かの名著から出発して、人間の生と愛の在り方を積分的に求めていく生きた哲学書だ。ダーウィンが生命を物質的環境に取り込んだことで生きることは適応を意味するようになったという分析は、堕落した『オデュッセイア』であるところのジョイス『ユリシーズ』の登場を予告している。何故なら適応とは屈服であり、諦めることを知らない叙事詩の英雄に居場所はもうないからだ。2017/01/25

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