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出版社内容情報
内村 博信[ウチムラ ヒロノブ]
著・文・その他
内容説明
破壊的暴力へとその身を曝すことによってのみ“生”は束縛から解放される。あらかじめ決定された現在を否定し、精神のアクチュアリティを救うために“批判=批評”は何を為すべきか。アドルノ、デリダ、アガンベンらの議論も捉えきれなかった若きベンヤミンの目眩く思考を追う。
目次
第1章 芸術批評の理論と作品の概念(“詩作されたもの”の概念;“神話的なもの”の概念;芸術批評の理論)
第2章 法の概念と近代悲劇(法と法の力;ギリシア悲劇と近代悲劇における運命の概念;正義と“神的なもの”の概念)
第3章 言語理論と歴史哲学(伝達可能性の逆説性と表現の潜在性;固有名と翻訳可能性;歴史記述の方法としての理念論)
終章 批判=批評と歴史哲学
著者等紹介
内村博信[ウチムラヒロノブ]
1958年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、千葉大学法経学部教授。専攻はドイツ文化・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
11
倒錯した欲望がデモーニッシュ(魔神的)な神話的力として「フロイト的な意味」で非神話化されたはずの市民社会の陰から噴き出してくる構造に、芸術と批評のテーマを思想家ベンヤミンが見出したと論じる研究。カント哲学や生の哲学にゲーテとロマン主義も吸収した若き日の批評理論を出発点に、ジジェクやデリダといった仏現代思想系の議論とも交差させる。幾何学的な論証とは別の道を選びベンヤミンが唱えた理念の叙述は一度きり存在した固有名と出来事の連関を記す営みとして、諸現象のバーチャルな星座的配置から浮かび上がる理念を文字に結晶化。2021/05/20