内容説明
デリダの脱構築と、ヘーゲルの弁証法、ハイデガーの存在論の関係の生産的な問い直しを続け、現在フランスで最も注目される哲学者、カトリーヌ・マラブー。本書においてマラブーは、ヘーゲルの時間論を批判的に読解するハイデガー、ハイデガー哲学を批判的に継承するデリダといった複数の対話を潜在的に共鳴させることで、彼女自身の哲学の核心をなす「可塑性」の運動、すなわち、自ら形を与える―受け取るという時間的な塑造過程を見定めようとしている。
目次
第1部 ヘーゲルの人間、第二の自然の加工方法(「人間学」通釈;ヌースの可塑性について―ヘーゲルによる『霊魂論』読解;習慣と有機的な生物 ほか)
第2部 ヘーゲルの神、二重の本性の転回(「啓示された宗教」通釈;超越性なき神?ヘーゲルに抗する神学者たち;神の死と哲学の死―疎外化の二重の運命 ほか)
第3部 ヘーゲルの哲学者、落下の二つの方法(「哲学」通釈;弁証法的単純化;「自発的に」 ほか)
著者等紹介
マラブー,カトリーヌ[マラブー,カトリーヌ][Malabou,Catherine]
1959年、アルジェリア生まれ。哲学者、パリ第10大学(ナンテール)助教授。ジャック・デリダに提出した博士論文『ヘーゲルの未来―可塑性・時間性・弁証法』を皮切りに、ヘーゲルの弁証法やハイデガーの存在論と現代フランスにおける差異の思想との関係を主に研究している
西山雄二[ニシヤマユウジ]
1971年、愛媛県生まれ。1995年、神戸市外国語大学国際関係学科を卒業。現在、一橋大学言語社会研究科博士課程に在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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