出版社内容情報
近代政治哲学の創始者ホッブズの日本近代に果たした役割はきわめて大きい。本書はそうしたホッブズ思想の受容の歴史を当時の政治動向とからませながら詳細に克明にたどる。
目次
第1編 トマス・ホッブズの哲学
第2編 日本におけるホッブズ哲学の導入(ホッブズ哲学と近代日本―『主権論』刊行100年を記念して;日本におけるホッブズ哲学の導入;明治10年代におけるホッブズ哲学;払波士著『主権論』をめぐって;払波士著『主権論』再考)
第3編 日本におけるホッブズ研究
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
denz
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ホッブズの政治哲学の概観、明治日本での受容史、そして日本での研究史をまとめた著作。第一編のホッブズの解説は簡にして要を得たものとなっており、また第三編の研究史も便利であった。第二編でもフランツ『国家生理学』の翻訳者に穂積陳重を措定するなど、興味深い。しかし、『リヴァイアサン』の抄訳『主権論』の発議と校正に加藤弘之が関わっていたという推定は如何だろうか。著者自身が加藤はホッブズを直接読んでおらず、ヴント『倫理学』の引き写しであり、加藤が「妄想」だと断じた「性法学派」としてホッブズを挙げているというのに。2011/05/13
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