出版社内容情報
従来、学歴競争が全面化した日本では、階層の再生産は出身階層と学歴、学歴と到達階層が連関することで起こるものと理解され、「教育機会の平等」こそがこの連関を打破するものと考えられてきた。それに対し、本書は高校の職業学科を対象とした分析で、学歴競争によらない「子が親と同じ職業に就く」という前近代的階層再生産の様式が有効に機能していることを見出す。日本の教育論議の前提となる世界観に修正を迫る研究。
【目次】
まえがき
序 章 学歴競争と2つの機会の不平等――世代間社会移動と教育機会
第Ⅰ部 課題設定
第1章 不平等の問題化と職業教育
1 不平等の社会問題化
2 職業学科の発展と変化
3 日本の職業教育の機能
第2章 2つの再生産モデル
1 社会階層をどう測るのか
2 出身背景、教育、社会的達成の関連をどう捉えるのか
3 2つの機会の不平等研究
4 職業学科と2つの機会の不平等
第3章 分析指標・分析データ
1 EGP階級分類の使用
2 SSM調査データ・JLPS調査データ・インタビューデータ
第Ⅱ部 実証分析
第4章 職業的親和性に沿った世代間再生産
1 モデル間比較の有用性
2 日本の教育システムとOED間の関連性
3 変数と分析方法
4 OED関連性モデル
5 HIAモデルとHOAモデルの比較分析
6 HOAモデルの有用性
第5章 出身階層と教育の質的差異の関連
1 出身階層は教育の質的差異に影響するのか
2 出身階層と教育の関連性についての先行研究
3 出身階層と教育の関連性に関する仮説
4 変数・分析方法
5 基礎分析
6 〈学校ランクと関連する階層〉と〈学科と関連する階層〉
7 出身階層と教育の関連性
第6章 高校の質的差異と地位達成の関連
1 高校の質的差異は地位達成にどのように影響するのか
2 高校の質的差異が到達階層に与える影響の先行研究
3 教育と到達階層の関連性に関する仮説
4 変数・分析方法
5 高校ランクが到達階層に与える効果
6 高校ランク・学科が到達階層に与える効果
7 本人学歴と大学学校歴・学科を統制した高校ランク・学科の直接効果
8 教育と到達階層の関連性
9 学校ランクと学科を媒介とした2つの再生産
補論1 出身階層―教育―到達階層間の関連性の時代的変化
1 方 法
2 出身階層―教育間の時代的変化
3 教育―到達階層間の時代的変化
4 職業世界型再生産の維持
補論2 職業高校教員の進路指導における合理性――教員へのインタビュー調査から
1 職業学科と再生産
2 進路指導研究
3 職業高校生の進路意識と職業高校の進路指導
4 調査対象と分析方法
5 分 析
6 職業高校と進路分化
7 量的分析と質的分析の統合的考察
終 章 教育機会の平等を超えて――分配と承認からみた職業と階層再生産
1 職業と教育の関連性
2 業績主義的競争と非業績主義的競争
3 政治的インプリケーション
内容説明
従来、学歴競争が全面化した日本では、階層の再生産は出身階層と学歴、学歴と到達階層が連関することで起こるものと理解され、「教育機会の平等」こそがこの連関を打破するものと考えられてきた。それに対し、本書は高校の職業学科を対象とした分析で、学歴競争によらない「子が親と同じ職業に就く」という前近代的階層再生産の様式が有効に機能していることを見出す。日本の教育論議の前提となる世界観に修正を迫る研究。
目次
学歴競争と2つの機会の不平等―世代間社会移動と教育機会
第1部 課題設定(不平等の問題化と職業教育;2つの再生産モデル;分析指標・分析データ)
第2部 実証分析(職業的親和性に沿った世代間再生産;出身階層と教育の質的差異の関連;高校の質的差異と地位達成の関連;出身階層―教育―到達階層間の関連性の時代的変化;職業高校教員の進路指導における合理性―教員へのインタビュー調査から)
教育機会の平等を超えて―分配と承認からみた職業と階層再生産
著者等紹介
成澤雅寛[ナリサワマサヒロ]
1993年 生まれ。現在 一橋大学・日本学術振興会特別研究員PD(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



