出版社内容情報
急速な勢いで成長を続け、安定成長期に入ったとされる中国経済。本書では、歴史とともに農業・産業の成長政策をおさえる一方、成長によって生じた問題点にも目を配る。また財政・金融面やエネルギー問題、そして近隣諸国との外交も含め紹介し、昨今の米中対立のなかで不確実性を帯びてきた最新の中国経済全体を捉える。明快な記述で初学者の理解を助ける入門テキストの決定版。
【目次】
はしがき
序 章 中国経済をどう学ぶか
1 中国理解のむずかしさ
2 伝統中国社会からの視点
3 複眼で中国を見る
第1章 集権的社会主義の挫折と市場化改革
1 中華人民共和国成立以前の中国経済
2 集権的社会主義の30年
3 改革開放政策の始動と市場経済化のうねり
4 市場化改革はどこへ行くのか
第2章 農村経済の変容と農業の課題
1 経済発展のなかの「三農」(農業・農村・農民)
2 改革開放後の農業・農村政策の転換
3 農業の構造調整と食料安全保障
4 農村振興政策の展開と今後の課題
第3章 企業改革とイノベーション
1 体制改革と経済発展
2 企業改革の始動とその変遷
3 イノベーション大国化と政府の役割
4 米中対立と今後の展望
第4章 労働市場と経済格差
1 中国労働市場の変貌
2 中国の経済格差
3 「共同富裕」政策,定年退職制度と今後の展望
第5章 少子高齢化とセーフティネット
1 中国150年の人口推移
2 中国における社会保障改革
3 社会保障制度におけるデジタル化の進展
第6章 財政・金融制度改革と地方政府?
1 中央-地方関係と財政・金融
2 市場経済化と財政制度改革
3 融資平台から地方債へ
4 金融制度の改革と対外開放
5 不動産バブルと地方政府の課題
第7章 エネルギー・環境問題?
1 エネルギー需給と環境問題,エネルギー安全保障
2 環境政策の展開
3 個別の環境問題への取り組み
4 今後のエネルギー・環境問題の展望
第8章 経済発展と対外関係?
1 中国の経済発展と対外関係
2 対外経済関係の発展と「一帯一路」構想
3 中国グローバル化の転換点
第9章 香港・台湾の経済と中国との関係
1 戦後の経済発展過程
2 香港の国際金融センター機能と中港経済関係
3 台湾における電子産業の発展と中台経済関係
4 中港台経済関係の行方
終 章 中国経済のゆくえ
1 習近平政権期の経済政策
2 長期経済発展の国際比較
3 不確実性を増す中国経済にどう向き合うか
資 料
人名・事項索引



