出版社内容情報
異なる生物とどのようにうまく共生してゆくかは、生きてゆくうえで重要な課題です。しかし、ダニは、こんなふうに生きている気がします。「思い悩んで時間を無駄にしたりはしない、日々を生きる。すべては進化が解決してくれるから」。ダニは決してひっそり、静かに暮らしているだけではなく、異なる生物と白黒つけずに、ドライに共に生きています。本書では、そんなダニのしたたかな共生戦略を見ていきます。
【目次】
目次
序章 ダニという生き物(ダニの特徴;ダニの分類;ダニの研究)
第一章 動物を利用するダニ―他力本願が成功の秘訣(メインテーマは共生;共生の形はいろいろ;主役はダニ ほか)
第二章 ハナバチとコナダニの共生―働かざる者、食うべからず?(クマバチコナダニの研究へ;研究方針をたてる;クマバチを飼育する ほか)
第三章 ドロバチとダニの相利共生―情けはハチのためならず(ドロバチと出会う;研究方針を立てる;ドロバチを飼育する ほか)
第四章 甲虫とダニの共生関係―気配を消してずっと一緒に(コウチュウダニと出会う;コウチュウダニを知る;クワガタナカセでクワガタがわかる、なんてね ほか)
第五章 共生と生物多様性の保全―白黒つけずに、一緒に(生物の多様性;生物多様性を保全する;共生関係の保全―生き物のつながりを守る)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マーブル
12
ある種のハチにおいてはダニを入れておくポケット状のものが身体にある。この謎を解明する観察が面白い。ダニのメリットはともかく身体を変形させてまでダニと共存しているハチ側の理由は何か。互いの生存戦略を解き明かしてくところが、まるで一片のミステリー小説のよう。寄生相手の生活パターン、成長タイミングに合わせ発育段階をコントロールしたり、宿主の移動の際には確実について行けるよう、足先が吸盤状になったり、鈎状になったり進化している。もちろんハチの側もわざわざ身体の形状を変えてまでダニと付き合っているのには意味がある。2025/12/07
ichigomonogatari
6
著者はダニの研究者。動物や虫の体に住むダニを調べて共生関係の研究などをしている。共生ではなくただの迷惑やどうでも良い存在のこともあり、共生にも、片利共生や相利共生といろいろある。ある種のハチには決まったダニが住んでいたり、ダニが住みやすいポケットを持つハチもいる。そんなものがわざわざあるからにはダニは役に立っているに違いない、ではどんな役に?研究するといってもまずハチを育ててそのために餌を確保して・・と大変なのだ。共生は、生物多様性は単純なことではないらしい。くだけた文章を読みダニを身近に感じた。2026/06/16
Take
5
著者が楽しく研究しているので、 読んでいるこちらも楽しくなった。 どんな生き物も必ず何かに影響されて、影響を与えている。 単純な一対一の関係の世界じゃない。 全てを分かっていると思い込んで何かをやると 必ずバランスが崩れる。 自分たちは何が分かっていないかを 明確に掴むことが大切だと思う。そこから研究の一歩が始まる。 2026/01/01
げんさん
4
アリノスササラダニにはびっくり。自分で歩かない。移動はアリがくわえて運んでくれる。しかも、自分で卵を産み落とすことができないらしく、途中からアリに卵を引っ張り出してもらう。もはやアリなしには生きられない。実はこのダニはアリの餌なのです。見つけたらすぐ食べてしまう餌ではなく、世話をして増やし、いずれ食べる。このアリは畜産をしているのだ!!2025/12/07
gibbelin
2
アカリナリウム(ダニ袋)面白い。エリトラ(鞘翅)も知らない言葉だったので、機会があれば著者のように使いたい。2026/02/02




