出版社内容情報
シカ、クマ、イノシシなどが、かつて絶滅が心配されていたことをご存じだろうか。エゾシカは「幻の動物」と言われ、ヒグマも地域個体群が絶滅に追い込まれようとしていた。それが今、郊外ではシカの飛び出しに注意し、森に入るときにはクマ鈴が欠かせない。
動物たちはなぜ絶滅しそうになったり、「増え過ぎ」たりするのだろうか。人間と野生動物の関わり合いの歴史を背景に、個体群生態学の基本的な考え方や発展の過程を見ていく。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽてち
27
クマやらシカやらが人間界に入り込み様々な報道がなされている昨今、こうした事態の背景を考えるのに最適と思える本を見つけたので図書館で借りてみた。うーん、思っていたのと違う。タイトルに嘘はなくまさしく「科学」していて、門外漢にはやや敷居が高い。なんとか我慢しながら読み続けたが、最後は人の少子高齢化問題にまで行き着いてしまった。「おわりに」で「個体群生態学のことを中高生にもわかるように」と依頼されたことが明かされていて、なるほどと思った。期待した内容ではなかったが、動物の絶滅には興味があるので無駄ではなかった。2025/11/08
マッメ
0
国内外のさまざまな事例を元に、個体群生態学についての法則や仕組みについて説明がされている。難しい話に思える内容も不思議と理解しやすく驚いた。自然のなかで動物がどのように増減し、絶滅に向かっていくかという仕組みや、動物に対する人間の働きかけや考え方の歴史など、さまざまな視点で「増え過ぎ」と「絶滅」を考えていて面白かった。太陽の黒点と動物の増減の関係、アリー効果、外来生物による撹乱と人間の知識不足など、読んでいて楽しかった。また人間の少子化に関わる話も書かれていたが、初めて知ることもあり大変勉強になった。2025/12/01
あらい/にったのひと
0
ミネルヴァ書房が新しく出したシリーズ。なるほどね〜いい本ですな〜と思うけど、新書感覚なところはあり、四六判がいいのか大きくて読みやすいと取るべきなのか。ミネルヴァ書房の本を買う中高生はあんまいないと思います、わらい、なので読者層は何となく大学の一般教養かな? という感じ。第5章、内容に不満も異論も無いけど、若干今までの話と離れているので、いやしかしこれないとな〜というのもあるしな〜という、個人的には悩みどころではありました。本棚にあるといい本です。2025/11/07




