出版社内容情報
2009年8月の総選挙において政権交代を実現し、戦後政治における一つの転機を引き起こした民主党は、何を為そうとし、どのような結果をもたらしたのか。戦後日本において唯一「政権交代に成功した野党」である民主党は、2017年の解消から十年を経て、今こそ十分な分析と評価を必要としている。本書は、日本現代政治史における野党研究の実証的な知見にもとづく最前線の研究成果であり、民主党結成前夜から解党までを分析した初めての通史である。
【目次】
まえがき
序 章 民主党研究の意義と視座(濱本真輔)
1 なぜ民主党史なのか――比較政治、日本政治における民主党
2 本書の視座――政策・政権戦略・組織
第一章 なぜ民主党が生まれたのか――一九九三年~一九九八年(小宮 京)
はじめに
1 細川連立政権から村山自社さ連立政権へ
2 体制変革と新党運動
3 旧民主党の性格・綱領など
4 旧民主党から新民主党へ
おわりに
第二章 新民主党の結成と基盤づくり――一九九八年~二〇〇三年(奥健太郎)
はじめに
1 新民主党の結党
2 菅代表時代
3 鳩山代表時代前半期――小渕・森内閣期の躍進
4 鳩山代表時代後半期――小泉内閣との対峙
5 菅の代表復帰と左派との融和――民由合併まで
おわりに
第三章 民由合併から政権交代へ――二〇〇三年~二〇〇九年(濱本真輔)
はじめに
1 民由合併と二大政党化――鳩山・菅代表期
2 改革競争路線――岡田・前原代表期
3 生活第一路線への転換とねじれ国会――小沢代表期
おわりに
第四章 鳩山由紀夫政権――二〇〇九年~二〇一〇年(吉田龍太郎・奥健太郎・小宮京・濱本真輔)
はじめに
1 鳩山政権の誕生まで
2 政治主導の試みと財源問題
3 普天間問題の争点化
4 迷走する鳩山政権(一)――政治資金問題
5 迷走する鳩山政権(二)――普天間問題
おわりに
第五章 菅直人政権と野田佳彦政権――二〇一〇年~二〇一二年(松浦淳介)
はじめに
1 参議院選挙と分裂議会の発生
2 東日本大震災と菅政権
3 野田政権とその政策課題
4 民主党政権の終焉
おわりに
第六章 下野後の民主党――二〇一二年~二〇一七年(境家史郎)
はじめに
1 海江田代表期
2 岡田代表期
3 民主党の最期
終 章 戦後政治史のなかの民主党(境家史郎)
はじめに
1 「時代の産物」としての二大政党化
2 なぜ民主党が生き残ったのか
3 民主党がもたらしたもの
党首の肖像
1 菅直人――「イラ菅」と呼ばれた指導者(奥健太郎)
2 鳩山由紀夫――「仁」の政治家(中島政希)
3 岡田克也――愚直な原理主義者(濱本真輔)
4 前原誠司――「多動」の政治家(境家史郎)
5 小沢一郎――「豹変」の政治家(小宮京)
6 野田佳彦――「ドジョウ宰相」の実像(松浦淳介)
7 海江田万里――文人政治家の苦闘と成果(吉田龍太郎)
あとがき
民主党略年表
付録 民主党資料
1 (旧)民主党党則(一九九七年
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