出版社内容情報
本書は、戦後の日本外交において、対米協調の追求による日本の安全保障の確保か、自主外交(対米自主外交)の追求による資源エネルギーの確保か、という異なる国益に基づく政策判断を迫られた事例として、第一次石油危機と第二次石油危機を取り上げる。二度の石油危機をテーマとし、日米同盟を基軸とした外交安保体制のもとでの日本の対米外交の可能性と限界を検証し、戦後の日本外交を見る新たな視座を提示することを試みる。
内容説明
本書は、戦後の日本外交において、対米協調の追求による日本の安全保障の確保か、自主外交(対米自主外交)の追求による資源エネルギーの確保か、という異なる国益に基づく政策判断を迫られた事例として、第一次石油危機と第二次石油危機を取り上げる。二度の石油危機をテーマとし、日米同盟を基軸とした外交安保体制のもとでの日本の対米外交の可能性と限界を検証し、戦後の日本外交を見る新たな視座を提示することを試みる。
目次
第1章 第一次石油危機前の対米外交、対中東外交―中東へのエネルギー資源外交の胎動と「自主外交」(戦後の中東における日本の対米自主外交の源流;高度経済成長のための資源獲保;田中内閣のエネルギー資源外交)
第2章 第一次石油危機―米国とアラブ諸国の狭間で(大平外相の外務省と中曽根通産相の通産省;一九七三年、第四次中東戦争の勃発;日本の取り組み―主要消費国エネルギー・ワシントン会議と石油備蓄制度の強化、発展途上国支援の強化)
第3章 第一次と第二次の石油危機発生時の日本をめぐる状況(第一次石油危機下の国際情勢;第二次石油危機下の国際情勢;第一次と第二次石油危機の政策判断コンテクスト;東西冷戦下における田名角栄の資源外交)
第4章 第二次石油危機―米国とイランの狭間で(カーター政権の誕生と「人権外交」―イラン反体制運動の始まり;イラン・イスラム革命前夜の日本外交;ホメイニ師の「革命政権」との関係―日本と米国;米大使館人質事件とイラン・イラク戦争の発生―日イラン経済関係の見直し、IJPCの引き揚げ;ソ連のアフガン侵攻と在イラン米大使館員人質事件の長期化―対イラン経済制裁とIJPC再開問題)
著者等紹介
安藤優香[アンドウユカ]
慶應義塾大学講師(非常勤)、博士(国際関係論)。1968年カナダ生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SIS)で修士号。在ワシントン中東研究所客員研究員、在クウェート日本大使館専門調査員、民主党本部国際局副部長、外務大臣政務秘書官を経て、米ブルッキングス研究所、米ウッドロー・ウィルソン・センターに客員研究員として在籍。2021年3月政策研究大学院大学博士課程単位取得退学、同年7月同大学院より博士号取得。現在、慶應義塾大学非常勤講師のほか、慶應義塾大学SFC研究所日印研究ラボ上席研究員等を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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