出版社内容情報
大川平三郎(1860年から1936年) 実業家。
王子製紙の一技術者から身を立て、九州製紙、樺太製紙、富士製紙など多数の製紙会社の経営にたずさわり、日本の製紙業を勃興期から牽引した。その手腕は製紙業にとどまらず、やがて「大川財閥」を作り上げるに至った。人柄、経済観、経営思想などにも着目し、恵まれない境遇から一代で名をあげた「製紙王」の人生の軌跡を追う。
内容説明
王子製紙の一技術者から身を立て、九州製紙、樺太製紙、富士製紙など多数の製紙会社の経営にたずさわり、日本の製紙業を勃興期から牽引した。その手腕は製紙業にとどまらず、やがて「大川財閥」を作り上げるに至った。人柄、経済観、経営思想などにも着目し、恵まれない境遇から一代で名をあげた「製紙王」の人生の軌跡を追う。
目次
第1章 幕末・維新の嵐の中で
第2章 見習いから会社の重役へ
第3章 「製紙王」への道
第4章 製紙業から「大川財閥」への道
第5章 大川平三郎の経済思想
第6章 晩年の大川―没落からの復活、そして終焉
著者等紹介
四方田雅史[ヨモダマサフミ]
1972年東京都生まれ。2006年博士(経済学)。現在、静岡文化芸術大学文化政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とりもり
4
製紙王・大川平三郎の伝記。この本読むまで知らなかった人だけどw。なぜ王子で製紙会社を創業したのか疑問に思っていたけど、当時はボロ布から洋紙を漉いていたというのにまず驚き。そして、原料が藁からパルプへシフトしていく過程で、その技術をローカライズしていくのに大きく貢献した人物であったことも知らなかった。経営者として「利益共分社会」という概念で、現代の多様なステークホルダーへの配慮を先取りするような理念を提唱していたことにも驚きを禁じ得ない。格差が再拡大する現代にこそ再評価されてもいい人物ではないか。★★★★☆2024/04/01