出版社内容情報
本書は従来、古代エジプト史の中で社会的混乱期とされてきた新王国時代後の中間期、特に第三中間期の位置づけについて検討する。第二一王朝から第二七王朝期にナイル世界に成立した異民族の古代エジプト王による統治を、個々のテーマを掲げ議論することで、多様性あふれる時代がいかに創造されたかを明らかにする。日本における古代エジプト史研究の空白を埋めるべく考察を深めた本格的研究。
内容説明
本書は従来、古代エジプト史の中で社会的混乱期とされてきた新王国時代後の中間期、特に第三中間期の位置づけについて検討する。第二一王朝から第二七王朝期にナイル世界に成立した異民族の古代エジプト王による統治を、個々のテーマを掲げ議論することで、多様性あふれる時代がいかに創造されたかを明らかにする。日本における古代エジプト史研究の空白を埋めるべく考察を深めた本格的研究。
目次
序章 多様性と伝統の古代エジプト
第1章 「ウェンアムン旅行記」にみる第三中間期直前のエジプト
第2章 なぜプスセンネス一世は銀の棺に埋葬されたのか―第二一王朝におけるリビア文化からの影響
第3章 シェションク一世のパレスティナ遠征―第二二王朝とダムナティオ・メモリアエ(記憶の抹消)
第4章 オソルコン三世の墓を探せ―第二三王朝のリビア人ファラオの墓はどこにあるのか
第5章 タルクイニア出土のボッコリス王のファイアンス製壺―地中海世界における第二四王朝のイメージ
第6章 文化伝播の視点からみたヌビアのエジプト化―第二五王朝のクシュ王たちのピラミッドとアムン崇拝
第7章 古代エジプト文化の再興期とネカウ二世の対外政策―第二六王朝のサイス・ルネサンス
第8章 カルガ・オアシスにおけるアムン神崇拝―第二七王朝のペルシア人王カンビュセス二世とダレイオス一世の時代
第9章 上エジプトの都市アクミムの重要性―紀元前一千年紀の異文化流入と黄道十二宮
終章 新王国時代以降の古代エジプト文明とは何だったのか
著者等紹介
大城道則[オオシロミチノリ]
1968年生まれ。1999年関西大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期課程修了。1997年英国バーミンガム大学大学院古代史・考古学科エジプト学専攻(MA in Egyptology)修了。2001年博士(文学)(関西大学)。現在、駒澤大学文学部歴史学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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