出版社内容情報
横井小楠(1809年から1869年)儒学者。
日本が富国強兵政策に向かい新しい体制を創出しようとする時代にさきがけ、小楠は開国を戦争で苦しむ人々を救うこととして位置づけ、「大義」を世界に向けて実践する道義国家を構想した。平和とは何か、公共とは何か、良心的に生きるとは何か。激動の時代のなかで問い続けた小楠の思想的変遷をたどる。
内容説明
横井小楠(1809~1869)儒学者。日本が富国強兵政策に向かい新しい体制を創出しようとする時代にさきがけ、小楠は開国を戦争で苦しむ人々を救うこととして位置づけ、「大義」を世界に向けて実践する道義国家を構想した。平和とは何か、公共とは何か、良心的に生きるとは何か。激動の時代のなかで問い続けた小楠の思想的変遷をたどる。
目次
横井小楠の青春
江戸に留学
実学の追求
私塾小楠堂の設立
諸国遊歴
福井藩の学校創設と小楠
黒船の衝撃と開国論
世界平和と国際主義
小楠の儒学革新
福井藩の藩政改革と小楠
幕藩体制の改革構想
正義と公共の政治
明治維新と小楠
小楠の良心論
著者等紹介
沖田行司[オキタユクジ]
1948年京都府生まれ。1979年同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程満期退学。1996年博士(文化史学)。現在、びわこ学院大学学長、同志社大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
3
藩校で優秀な成績を残し、実学を追及し、そして親藩の藩主松平春嶽に師として迎えられるなど幕末の激動の中心をいた横井小楠の一生を描いた一冊。▼横井小楠の人生は、青年期に酒で乱れ、激動の最中には士道没却事件で士籍まではく奪される波瀾の人生だ。▼その舌鋒は鋭く「舌刃」と呼ばれるほどである。本書を読むと彼の議論は、時として我が国の国体すら覆し得ない危うさを持っていたが、それは彼が「実学」を追い続けていたからに他ならない。彼のような議論は、為政者にとってみればさぞ心強く、また、ある意味で恐ろしいものであったであろう。2022/04/06