出版社内容情報
血のつながりがない他者を助け支え合うという人間性(人間らしさ)を象徴する営みを「福祉」と捉え、その「福祉」を生み出す原理(福祉原理)の成立過程とその構造を分析。また分析においては、哲学・神学・宗教学の知見を応用。「支え合い」の根源となる「愛」「正義」は福祉原理の基盤であり、人間性の発露といえる「福祉」は、人類の長い歴史の中で人間が気づき育んできた歴史的必然であることを論証した一冊。
内容説明
血のつながりがない他者を助け支え合うという人間性(人間らしさ)を象徴する営みを「福祉」と捉え、その「福祉」を生み出す原理(福祉原理)の成立過程とその構造を分析。また分析においては、哲学・神学・宗教学の知見を応用。「支え合い」の根源となる「愛」「正義」は福祉原理の基盤であり、人間性の発露といえる「福祉」は、人類の長い歴史の中で人間が気づき育んできた歴史的必然であることを論証した一冊。
目次
序章 根源的福祉原理を求めて
第1部 「普遍的かつ根源的なもの」への眼差し―福祉原理の哲学的基礎づけ(社会福祉学に基づく福祉原理の探究―学問論的基盤;各時代の思考空間―認識論的基盤;プラトン的世界という存在―存在論的基盤;プラトン的世界における伝統的理念―現代における普遍的なものの姿;プラトン的世界における対称性―存在を与える根源的なもの)
第2部 形而上の次元における「正義」―秩序を与えるもの(過多と不足を調整する正義―古代ギリシア・ローマにおける正義;徳そして社会正義―プラトンとアリストテレスの正義;レヴィナスとデリダが見出した正義―正義の系譜の極点)
第3部 聖(霊)の次元における「愛」―統合を生み出すもの(虐げられている者を護り解放する正義―『旧約聖書』の思想から;一人ひとりを大切にする愛という「正しさ」―『新約聖書』の思想から;人格と愛―キリスト教の思想から;キリスト教と仏教の共通点、そして、慈愛―仏教の思想から;根源的福祉原理の理論的原型―統治の始源にあるもの)
第4部 根源的福祉原理と福祉理論―非人間的なものに抗する根拠(対称性―支え合いを生み出す形式;正義と愛―支え合いの根源にあるもの;福祉の本質―福祉理論1;福祉のメカニズム―福祉理論2;社会福祉における普遍的なもの―社会福祉理論;根源的福祉原理の歴史的発展形態―正義の系譜と愛の系譜)
終章 これからの社会福祉を展望する―原理と理論の観点から
著者等紹介
中村剛[ナカムラタケシ]
1963年生まれ。2013年大阪大学大学院文学研究科文化形態論(臨床哲学)専攻博士後期課程修了。博士(学術)。現在、関西福祉大学社会福祉学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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