出版社内容情報
「複合国家」の歴史的展開とその思想史的な意味とは――。今日の世界では主権国家に根ざしたナショナリズムが温床となり、分断や不寛容のあらしが吹き荒れている。本書では、こうした状況を相対化するため人文学が取り組みうる作業の一環として、歴史学と思想史という異なる分野の研究者が協同し、主権国家論を前提とする従来の議論では注目されてこなかった、ヨーロッパの国家が抱える重層性や可塑性に光を当てる。
内容説明
「複合国家」の歴史的展開とその思想史的な意味とは―。今日の世界では主権国家に根ざしたナショナリズムが温床となり、分断や不寛容のあらしが吹き荒れている。本書では、こうした状況を相対化するため人文学が取り組みうる作業の一環として、歴史学と思想史という異なる分野の研究者が協同し、主権国家論を前提とする従来の議論では注目されてこなかった、ヨーロッパの国家が抱える重層性や可塑性に光を当てる。
目次
複合国家ブリテンの紐帯と地域連鎖
第1部 複合国家論から見たヨーロッパ(フランス政治思想史における複合国家論と主権論;複合国家の近代―オーストリアの人権に関する基本法第一九条「民族は平等である」を読み解く;近世の神聖ローマ帝国とオランダ―複合国家論の射程;複合国家の近現代―シュレージエン/シロンスク/スレスコの歴史的経験から)
第2部 ブリテン島とアイルランド(アイルランド「王国」―複合性と従属性;ジョナサン・スウィフトの国家意識;日本人のアイルランド認識と複合国家論;ヒューム研究からの複合国家論;バーク研究からの複合国家論)
第3部 思想史学から見た複合国家論(ブリテン思想史研究における複合国家論の可能性;複合国家ブリテンにおける征服と植民―ジョン・デイヴィス小論;一七世紀思想史からの複合国家論―ジョン・ロックの寛容思想と名誉革命;複合国家と思想史研究―一八世紀の政治・経済思想を題材として;一八世紀アイルランドの社会変革論―スウィフト以後、バークリ『問いただす人』とバーク『改革者』を中心に;現代文明論からの複合国家論―政治思想としての歴史叙述)
歴史学と思想史学における複合国家論の可能性
著者等紹介
岩井淳[イワイジュン]
1956年岐阜県生まれ。1990年東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(史学)。現在、静岡大学人文社会科学部教授
竹澤祐丈[タケザワヒロユキ]
1968年東京都生まれ。2000年京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、ケンブリッジ大学大学院社会政治学部博士課程単位取得退学。現在、京都大学大学院経済学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
-
- 和書
- 罪 百年文庫




