内容説明
山室軍平(一八七二~一九四〇)伝道者・社会事業家。印刷工のときにキリスト教に入信。同志社に学ぶ。のちに救世軍に入り、日本人初の司令官となる。救世軍を率いて、廃娼運動、歳末慈善鍋(社会鍋)、職業紹介、児童保護、結核療養所創設などの社会事業に力を注いだ。日本における社会福祉の先駆者を突き動かしたものはなんだったのか。山室軍平の生涯を救世軍公報『ときのこゑ』に残した言説を中心に読み解いていく。
目次
序章 近代日本と山室軍平
第1章 少年時代
第2章 同志社時代
第3章 彷徨の旅と救世軍入隊へ
第4章 救世軍初期の活動と結婚
第5章 明治中期の山室と救世軍
第6章 明治末期の都市社会事業と「満州」での事業
第7章 大正初期の山室
第8章 大正期における海外移民伝道―米国西海岸とハワイ
第9章 第一次世界大戦後の社会事業と関東大震災
第10章 救世軍日本の司令官に就任
第11章 総力戦体制の中で
著者等紹介
室田保夫[ムロタヤスオ]
1948年生まれ。1976年同志社大学大学院文学研究科修士課程修了。1996年高野山大学教授、同志社大学で博士号取得(社会福祉学)。1999年関西学院大学教授。2017年関西学院大学退職(名誉教授)。現在、京都ノートルダム女子大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
15
救世軍(キリスト教の一派)の日本における最初の司令官(司祭)山室軍平の評伝。同志社に学び、新島襄の理想を引き継ぎつつも、より現実的な社会変革を目指し、同志社を離れる、日本や満州で廃娼運動を行い、女性の人権を守ろうとしたことで知られるが、本書で山室の早すぎる再婚に際して津田梅子や与謝野晶子ら錚々たるメンバーから批判があったことなども興味深い。また、山室は皇室からの下賜により様々な福祉活動を行っている。このように皇室とキリスト教団体の良好な関係は、(→)2020/08/12
無意味への献身
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とても評伝と呼べる代物ではないと思います。山室という人のパーソナリティーが全く浮かび上がってきません。この本を一言で言えば「日本救世軍の歴史」です。
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