出版社内容情報
わが国ではいまだ自殺者は年2万人を前後している。2006年、自殺対策基本法では、自殺者の遺族に支援が必要であることが明記されたが、遺族支援は進まず、またその研究も少ししかない。本書は、自らも自殺者遺族である著者が、遺族の置かれる情報不足感(知りたいことが知らされない)に着目し、ソーシャルワーカーである立場からどのように各専門職と連携し、支援してその不足感を補っていけるのかについて、調査を基にまとめた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
11
筆者の博士課程時からの研究をまとめて一般の方にも読めるようにと書籍になった。まず、「自殺」と「自死」の言葉の意味を正確に知り、社会的なイメージを変えていく必要がある。「私たちは、自殺者のことを「自分を殺した人だ」とか「自分で死んだ人だ」などといって外見的な評価を下す前に、それほどの生命の破壊的な状態に、急激にあるいは慢性的に苦しんだ故人が抱いた固有の痛みや悲しみ、悔しさといった諸々の苦しさに対して、心からその身になって共感しようとすることが大切である。」そして(続く)2021/02/23