出版社内容情報
200万年前、アフリカ大陸で生まれた現生人類が世界各地へ広がった「出アフリカ」以降、あらゆる「人の移動」が世界史を左右してきた。本書は、紀元前後から現代までの世界で、交易・商業、信仰、学び等の目的のために移動した人々、さらに国民国家の成立・成熟とともに増加する「移民」、そしてユダヤ人、性的搾取のために移動を余儀なくされた女性たち等の「強いられた移動」の歴史にも光を当て、移動する人々によってつながれる世界を多角的に考察する。
内容説明
約二〇〇万年前、アフリカ大陸で生まれた現生人類が世界各地へ広がった「出アフリカ」以降、あらゆる「人の移動」が世界史を左右してきた。本書は、紀元前後から現代までの世界で、交易・商業、信仰、学び等の目的のために移動した人々、さらに国民国家の成立・成熟とともに増加する「移民」、そしてユダヤ人、性的搾取のために移動を余儀なくされた女性たち等の「強いられた移動」の歴史にも光を当て、移動する人々によってつながれる世界を多角的に考察する。
目次
人々がつなぐ世界史
第1部 交易・商業のための移動
第2部 信仰のための移動
第3部 学びのための移動
第4部 移民
第5部 強いられた移動
著者等紹介
永原陽子[ナガハラヨウコ]
1955年生まれ。1984年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。1980年文学修士(東京大学)。現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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M
1
人の移動が移民、学問、商業を通して良い側面もある一方で、その移動には様々な利害が裏側で交錯しており、Ⅴ部の帝国の性管理政策と人身売買という強いられた移動の状況もあることは頭に入れておきたい視点だった。移民の章での華人と中国の関係性、クーリーの詳細は昔から興味があったテーマであり、現在の中国のグローバル台頭とその越境性の背景の一部を理解することができた。また中世期のイスラーム諸王朝の興亡の背景、レバノン商人のネットワークなどはよ知らないことも多く、改めて世界は人の移動によって支えられてきたことがわかる。2020/02/24
Arte
0
「移動」をテーマににまとめた論文集みたいな感じ。なんでこの本を読もうと思ったのか、さっぱり分からないが、普通に面白かった。鎌倉時代は僧侶の留学が盛んだったとか、宋で入滅するために密航した僧侶がいたとか、近代では、短期留学は危険思想に染まる、と考えられていたとか、「レバシリ商人」という言葉があるとか、オスマントルコの国境に劣悪な隔離検疫施設があったとか。2022/09/24
イスラーム好き
0
苅谷康太の論文を目当てに入手。 様々なテーマに関する代表的な研究者の論文を読めて良い。 シリーズ化されているようなので他の本も読むつもり。2022/05/13