内容説明
中東諸国の民主化運動「アラブの春」。これによりイスラーム主義運動は各国で「権力」と「自由」を勝ち取るが、その後の国づくりはことごとく頓挫してしまう。どうして彼らの運動は失敗に終わってしまったのか。いまだ混迷をきわめるイスラーム世界について膨大な一次資料を用い運動の変遷と、その国際社会への影響を読み解いていく一冊。
目次
いま、なぜ、イスラーム主義運動なのか
第1部 イスラーム主義運動とは何か(「アラブの春」以後のイスラーム主義運動―権威主義・過激主義・宗派主義;イスラーム主義政党支持者の「穏健化」―包摂‐穏健化仮説の検証;体制と癒着するイスラーム主義運動―モロッコとヨルダンから見るその戦略的・宗教的ジレンマ)
第2部 世界に広がるイスラーム主義運動(国際政治のなかのイスラーム主義運動―アメリカのオリエンタリズムと「非リベラルな覇権秩序」の行方;ヨーロッパにおけるイスラーム主義の興隆―ムスリム同胞団の浸透とスウェーデンの政党政治の変動;世俗主義体制における新たな対立軸の表出―トルコ・公正発展党と「国民」の世俗主義;サウディアラビアにおけるイスラーム主義の競合―「公式」イスラーム主義による「非公式」イスラーム主義の封じ込め;エジプトのイスラーム主義は失敗したのか―ムスリム同胞団の栄枯盛衰;革命後のチュニジアが見せた2つの顔―民主化とテロリズム;シリアにおけるイスラーム主義の栄枯盛衰―「今世紀最大の人道危機」を遡る;立ち上がったイスラーム主義―戦後イラクにみる多様な展開;イスラーム過激派の系譜―アフガニスタンから「イスラーム国」まで)
著者等紹介
〓岡豊[タカオカユタカ]
2000年上智大学大学院外国語学研究科博士課程前期修了。2011年博士(地域研究、上智大学)。現在、公益財団法人中東調査会主席研究員
溝渕正季[ミゾブチマサキ]
2011年上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻博士後期課程単位取得退学。博士(地域研究、上智大学)。現在、名古屋商科大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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