内容説明
進学のため上京した竹本光汰朗は、亡き祖父が作り今は祖母が経営する下北沢センナリ劇場でアルバイトとして働き始める。演劇人やミュージシャンたちが夢を追いかける街で起こる「甦る死者」や「人間消失」など様々な怪事件を、劇場支配人・ウィリアム近松太郎とワトソン役の光汰朗コンビが快刀乱麻解決!文庫オリジナル。
著者等紹介
稲羽白菟[イナバハクト]
1975年大阪市生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。2015年に『きつねのよめいり』で第13回北区内田康夫ミステリー文学賞特別賞。2018年、第9回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞で準優秀作に選ばれた『合邦の密室』でデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のんちゃん
26
進学で上京した光汰朗は祖母の経営する下北沢センナリ劇場でアルバイトを始める。そして光汰朗はそこの劇場支配人、ウィリアム近松太郎と、劇場や下北沢の街で起きる様々な事件を解決していくという物語。どの事件も有名推理小説やクラシック曲、詩、海外小説、歌舞伎等に関連性のあるもので、その元を知れるのも楽しい。センナリ劇場とは実在のザ・スズナリのオマージュだろう。センナリ劇場の構造が文面だけでは分かり辛かったので、構造図の記載があればよかったなぁと思う。下北沢は若い頃よく遊びに行った街。今はちょっと綺麗になりすぎた。2025/07/06
mayu
18
初読み作家さん。下北沢にある古いアパートを改造した小劇場センナリ劇場が舞台。劇場で起こるさまざまな謎を支配人と下北沢に越してきたばかりの劇場を作った祖父の孫とで解決する連作短編ミステリー。劇中で使う小道具の指輪が紛失する事件は指輪の行方では無く宝石の謎解きが始まり、指輪の行方に、え。こんな理由アリなの。となってしまったけれど、読み進めていく程にミステリー色を強く感じられた。近松さん結構簡単に事件解決するし、なんで2013年の下北が舞台なのかが疑問に残ったなぁ。2024/04/13
うみ
15
昔々、あるドラマを見ていて憧れの地だった下北沢。1度だけ旅立った下北沢。かの地を舞台にした連作ミステリ。飛び付かないわけがない。ふだん日常の謎系はあまり読まないけれど、うん、面白かった。劇場でおこるさまざまな事件。芸事通の稲羽先生ならでは!2024/04/17
takaC
13
これは続編の期待大でしょう。2024/07/04
ベローチェのひととき
12
妻から廻ってきた本。5編からなる連作短編集。主人公は進学のために上京した竹本光汰朗。祖母が経営する下北沢センナリ劇場で働き始める。劇場支配人のウィリアム近松太郎の助手となり、劇場近辺で起こる怪事件を解決していく。人が舞台から忽然と消えたり、幽霊騒動が起こったりと楽しませてくれました。2025/07/27
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- 和書
- 味人 〈2007如月〉