出版社内容情報
建て前、二枚舌、レトリック、はぐらかし…… 日本の政治家はインタビューでどう話すのか。政治家の「へっぴり腰」を見抜く政治の中心は言葉のやり取りであるにもかかわらず、政治家は往々にして質問に答えない。弁論術に長けた政治家に有権者やインタビュアーは惑わされ、はぐらかされることは日常茶飯事である。このような事態はなぜ起こるのか。本書では、2012年政権交代前後における日本の政治家インタビューの事例分析から、政治家が戦略的に「どっちつかず」の回答をしていることを解明し、有権者が批判的な視点をもつための一助となす。
はしがき
序 章 政治とは「話」である
1 本書の目的
2 政治行動とコミュニケーション
3 「どっちつかず」とは何か
4 本書の構成と概要
第1章 テレビの政治における談話
1 テレビの政治インタビューとその性質
2 政治的話術
3 分析にあたって
4 回答の分析
5 コーディングについて
第2章 政治家と知識人の言葉遣いは同じか
1 文化と言語の壁
2 大衆の心を?むため
3 討論番組の会話は同じか
4 政治家と知識人の訴え
5 文化を超えるコミュニケーション対立
第3章 いかなる争点が論争を生むのか
1 論争の火種
2 国会議員のぼかし
3 地方レベル政治家のずらし
4 知識人のほのめかし
5 政治家の本音と建て前
第4章 玉虫色の発言をするリーダー
1 地盤、看板、鞄を受け継ぐリーダーたち
2 檻に入れられたリーダー
3 「善処します」というレトリック
4 ディベートの葛藤
第5章 良い質問vs.悪い質問
1 良い質問とは何か
2 悪貨は良貨を駆逐する
3 良貨はどこにあるのか
4 穏やかでつまらないインタビュー
第6章 言葉は地位を貶めるか
1 丁寧さと無礼さ
2 顔に泥を塗るとは
3 いかに泥を塗るか
4 インタビュアーは無礼であるべきか
第7章 選択できない政治家たち
1 永田町の流儀
2 選択肢のジレンマ
3 どちらの案が良いか
4 いかに選択肢を選ばないか
5 追及の効果
第8章 奥歯にモノが挟まったような言い方
1 事例からの検討
2 マスメディアの影響力
3 争点、質問、名誉の複合的視点
4 三要因の交絡
5 苦し紛れの逃げ口上
第9章 質問の戦略性
1 情報収集か追及か
2 対人コミュニケーション
3 情報収集や円滑化があっても追及はないのか
4 戦略性の考察
5 二つの戦略
第10章 映像と文字に違いがあるか
1 国会審議
2 政治情報の重要性
3 映像からは答えているように認識する不思議
4 国会審議は原稿が有用か
5 霞ヶ関の流儀
終 章 政治コミュニケーション研究の展望
1 回避―回避の葛藤
2 言葉は政治を変えるか
3 課題と展望
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
木下 健[キノシタ ケン]
著・文・その他
オフェル・フェルドマン[Ofer FELDMAN]
著・文・その他
内容説明
政治の中心は言葉のやり取りであるにもかかわらず、政治家は往々にして質問に答えない。弁論術に長けた政治家に有権者やインタビュアーは惑わされ、はぐらかされることは日常茶飯事である。このような事態はなぜ起こるのか。二〇一二年政権交代前後における日本の政治家インタビューの事例分析から、政治家が戦略的に「どっちつかず」の回答をしていることを解明し、有権者が批判的な視点をもつための一助となす。
目次
序章 政治とは「話」である
第1章 テレビの政治における談話
第2章 政治家と知識人の言葉遣いは同じか
第3章 いかなる争点が論争を生むのか
第4章 玉虫色の発言をするリーダー
第5章 良い質問vs.悪い質問
第6章 言葉は地位を貶めるか
第7章 選択できない政治家たち
第8章 奥歯にモノが挟まったような言い方
第9章 質問の戦略性
第10章 映像と文字に違いがあるか
終章 政治コミュニケーション研究の展望
著者等紹介
木下健[キノシタケン] [Feldman,Ofer]
1987年大阪府生まれ。2014年同志社大学大学院総合政策科学研究科博士課程(後期課程)修了。博士(政策科学)。福岡工業大学社会環境学部助教
フェルドマン,オフェル[フェルドマン,オフェル]
1954年イスラエル・テルアビブ市生まれ。1982年エルサレム=ヘブライ大学大学院政治学科修士課程修了(修士号取得)。同年文部省奨学金により来日、大阪外国語大学、東京大学新聞研究所・留学生研究生。1984年東京大学社会学研究科社会心理学研究室博士課程。1987年東京大学社会学研究科社会心理学研究室博士課程修了(博士号取得)。同志社大学政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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