出版社内容情報
近現代における政治思想の根幹とは何だったのか…… 社会契約論をコミュニタリアニズムから解明する。近代政治思想の根幹をなす社会契約論が「自由で平等な個人が自らの権利を保障する社会を契約により形成する」という進歩主義的主張は正しいのか。本書では、ホッブズ、ロック、ルソーらが個人の自由や権利だけでは社会や国家は形成されず、ホッブズは絶対的主権を、ロックとルソーは共通善を追求するコミュニティとしての国家を主張していたことを、ロールズの社会契約論を批判する現代コミュニタリアニズムとの関連から解明する。
序 章 社会契約論と共通善の政治学?
第1章 リベラル―コミュニタリアン論争と社会契約論
1 現代コミュニタリアニズムによるロールズの「社会契約論」批判
2 ロールズの社会契約論
第2章 社会契約論の研究史
1 英米における社会契約論の研究史
2 日本における社会契約論研究史
第3章 共通善の政治学とホッブズの社会契約論
1 ロールズによるホッブズ理解と日本のホッブズ評価
2 ホッブズと「共通善の政治学」?
第4章 共通善の政治学とロックの社会契約論
1 ロールズによるロック理解と日本のロック評価?
2 ロックと「共通善の政治学」?
第5章 アメリカとホッブズ―ロックの社会契約論
1 ホッブズ―ロックと「アメリカ」
2 アメリカ建国とホッブズ―ロック
第6章 共通善の政治学とルソーの社会契約論
1 ロールズによるルソー理解と日本のルソー評価
2 ルソーと「共通善の政治学」?
第7章 ヒュームの社会契約論批判とカントの社会契約論
1 ヒュームの社会契約論批判と「共通善の政治学」?
2 カントの社会契約論とロールズの『正義論』?
終 章 社会契約論再考と「共通善の政治学」
参照文献
あとがき
事項索引
人名索引
菊池 理夫[キクチ マサオ]
著・文・その他
-
- 和書
- イレイザー 新潮文庫