絵を読み解く絵本入門

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  • サイズ A5判/ページ数 312p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623081585
  • NDC分類 726.5
  • Cコード C0098

出版社内容情報

どのようにして「絵を読む」のか。そのための理論と分析を海外・日本の作品の読解を通して体系的、網羅的にわかりやすく解説する。本書は、絵本の語法や美術表現をよく理解し、絵本の「絵」を読み解くための理論と分析を具体的な作品の読解を通して体系的、網羅的に解説する。古典的な作品と現代の作品に分けて、絵本の「絵」を中心に、絵本の読み解き方を、ユニークに、具体的に説明。絵本と絵本研究に関心のある人に役立つ一冊。

はじめに

 第?部 絵を読むこと

第1章 絵本の絵を読み解く──絵本を演出する絵の諸機能とその効果

第2章 物語絵本の絵を読み解く──物語を演出する絵本表現

第3章 昔話絵本を読み解く──伝承文学の視覚化

第4章 ファンタジー絵本を読み解く──子どもの空想世界の絵本表現

第5章 ポストモダンの絵本を読み解く──絵本の常識を破る絵本表現

第6章 赤ちゃん絵本を読み解く──絵本の共同注意が、豊かな経験を育む

エッセイ
 ? 宮沢賢治──宮沢賢治の童話絵本をめぐって
 ? ディック・ブルーナーシンプルでありながら、見る人のイマジネーションをかきたてるブルーナ・スタイル
 ? 絵本の絵──「14ひきのシリーズ」の絵
 ? 「たいこさんトコトコ」
 ? ビアトリクス・ポター──生涯、自然を愛し、守った画家


 第?部 さまざまな作品の絵を読む

◆古典作品 海外
 ? 『100まんびきのねこ』──描くことへの情熱がつくり出した独創的な画面構成
 ? 『かもさん おとおり』──アメリカ絵本黄金時代の先駆者
 ? 『ちいさいおうち』──見えない時間を表現した
 ? 『もりのなか』──子どもの遊びの世界を描くファンタジー
 ? 『おやすみなさい おつきさま』──子どもの心に寄り添った絵本を求めて
 ? 『三びきのやぎのがらがらどん』──昔話絵本の最高傑作
 ? 『すてきな 三にんぐみ』──読者を常識から解放する作家
 ? 『かいじゅうたちのいるところ』──子どもの心の葛藤を描くファンタジー
 ? 『ロバのシルベスターとまほうのこいし』──闘病と少年時代の体験
 ? 『ジョゼフのにわ』──シンプルで重厚な心の物語
 ? 『お友だちのほしかったルピナスさん』──今をファンタジーに描く

◆古典作品 日本
 ? 『かばくん』──絵と言葉のおおらかな響きあい
 ? 『スーホの白い馬』──物語の演出家
 ? 『わたしのワンピース』──なによりも子どもの視点に立って
 ? 『ぐるんぱのようちえん』──絵本表現の到達点を示す作品
 ? 『やっぱりおおかみ』──「絵本」か「マンガ」か、やっぱり「絵本」
 ? 『ねずみくんのチョッキ』──緻密さが生み出す究極のシンプル
 ? 『いちご』──風の彫刻家
 ? 『はじめてのおつかい』──「絵で物語る」絵本
 ? 『もこ もこもこ』──乳幼児のことばの感性を育む絵本
 ? 『やまなしもぎ』──昔話絵本の絵を読み取る

◆現代作品 海外
 ? 『さかなは さかな』──自分探しの旅に生きた芸術家
 ? 『アンジュール ある犬の物語』──静謐な空間にひそむ凛とした孤独と深遠な情感
 ? 『急行「北極号」』──切り取られた一瞬と広がる空間
 ? 『おんぶは こりごり』──絵本の中に仕掛けられた手がかりを読み解く
 ? 『三びきのコブタのほんとうの話──A・ウルフ談』──パロディ絵本を読み解く
 ? 『ソリちゃんのチュソク』──美的伝統の継承と固有の文化の探究
 ? 『綱渡りの男』──ツインタワーの惨劇を忘れないために
 ? 『悲しい本 SAD BOOK』──絵とテキストの名指揮者

◆現代作品 日本
 ? 『とらのゆめ』──緑色のトラが見た夢の正体
 ? 『ごんぎつね』──文学作品の絵本化のむずかしさとおもしろさ
 ? 『バムとケロのにちようび』──絵を読む醍醐味に満ちた絵本
 ? 『みずまき』──いのちを描いた画家
 ? 『ごめんね ともだち』──“おもしろさ”を演出する巧みな表現
 ? 『はっぴぃさん』──もう一つの物語を絵で表現
 ? 『ぼくがラーメンたべてるとき』──絵本ならではの表現を追求
 ? 『くまとやまねこ』──二つ、あるいは三つの光源が照らすもの
 ? 『つみきのいえ』──記憶を描く
 ? 『100かいだてのいえ』──創造する力と想像する力が生み出す絵本


おわりに
人名索引/作品名索引/事項索引

藤本 朝巳[フジモト トモミ]
編集

生田 美秋[イクタ ヨシアキ]
編集

内容説明

どのようにして「絵」を読むのか。そのための理論と分析を海外・日本の作品の読解を通して体系的、網羅的にわかりやすく解説する。

目次

第1部 絵を読むこと(絵本の絵を読み解く―絵本を演出する絵の諸機能とその効果;物語絵本の絵を読み解く―物語を演出する絵本表現;昔話絵本を読み解く―伝承文学の視覚化;ファンタジー絵本を読み解く―子どもの空想世界の絵本表現;ポストモダンの絵本を読み解く―絵本の常識を破る絵本表現 ほか)
第2部 さまざまな作品の絵を読む(古典作品海外;古典作品日本;現代作品海外;現代作品日本)

著者等紹介

藤本朝巳[フジモトトモミ]
1953年生まれ。フェリス女学院大学文学部教授。2007年度、ケンブリッジ、アングリア・ラスキン大学客員研究員、日本イギリス児童文学会事務局長、絵本学会理事を歴任。専門は、児童文学、伝承文学、絵本学

生田美秋[イクタヨシアキ]
1954年生まれ。富山県立高志の国文学館事業部長。絵本学会理事。元世田谷文学館学芸部長。専門は、絵本学、児童文化、文芸評論、博物館学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

42
絵本は大きな器で神話、昔話、説話、ファンタジー、コメディ、ほとんどの物語は絵の力、文の力、物語の力がお互いに作用しあい、高めてあいながら絵本の中に納まります。文や物語を意識的に排除する方法もありますし。本書は導入部で絵に関する考察をして後に、作品紹介をしています。読んだものもあり、読んでいないものもあり、です。絵や物語、作家のプロフィールを紹介しているので読んだ絵本は再読したくなりますし、未読のものは当然、興味がわきます。絵本の世界に遊ぶ時間を作りたいですねえ。行くと戻るのに時間かかりますけれども。2020/06/18

かもめ通信

19
書評サイト本が好き!を通じての頂き物。絵本は好きだがレビューを書くのは難しいと常々思っていたので,参考になればと読み始めたが,自分がいかに絵を読めていなかったかがよくわかった。おまけに読みたい絵本が山ほど増えてしまった。2018/08/22

midorino

10
絵本とは、という話から入り、海外・日本の絵本を古典といえるものから新しいものまで取り上げて、その絵本が作られた背景や絵の表現などを解説。まだ読んだことのない絵本もあったので読みたい本に追加しながら読んだ。「かいじゅうたちのいるところ」では母親の「怪獣性」とあったが、私はマックス自身のもてあましている「怪獣性」だと思って読んでいた。絵本は読み聞かせで読んでいるつもりになっていたけど、絵を読めていない部分が多いことに気づいた。2018/06/14

akiu

5
絵の読み解き方全般と、個々の作家・絵本に対する作品論という二部構成。前半部はジャンルごとに簡潔に基本パターンをまとめていてわかりやすい。後半部はさまざまな作家と絵本について大量に紹介している。こちらも内容は簡潔で、物量で勝負みたいな感じ。絵の解説をしつつも、実際の絵があったりなかったりするので分かりやすさに差が出てきてしまうのが少し残念だが、もとの絵本を片手に読めば解決する話ではある。作品論としては興味深いものばかりなのでやってみたくなる(大変そうだが…)。線描の達人ガブリエル・バンサンが気になる。2019/10/31

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