内容説明
ジェンダーとエスニシティの交差に、映画が隠蔽/開示する欲望とは何か。スクリーンの皮膜に生起するその複雑さに対し、我々は如何に応答すべきだろうか。9つの視座からその困難にアプローチする。
目次
第1部 外国映画×ジェンダー/エスニシティ(姫と魔女のエコロジー―ディズニーとおとぎ話の論理;『レオン』におけるアイデンティティの変容・転換―“子ども”の抑圧とその回帰;ハイブリッド・エスニシティ―エドワード・ズウィック『マーシャル・ロー』と文化翻訳の可能性;『因果応報』と『きずもの』における「民族自滅」とその背景;ドイツ=トルコ映画における女性像の変遷)
第2部 日本映画×ジェンダー/エスニシティ(日本人・李香蘭帰る―『わが生涯のかがやける日』を結ぶ山口淑子の振幅;女が映画を作るとき―浜野佐知の終わりなき再生産労働;『カルメン』二部作におけるリリィ・カルメンのサヴァイヴァル;占領期の田中絹代と小津安二郎―なぜ女は「制裁」されるのか)
著者等紹介
塚田幸光[ツカダユキヒロ]
1971年茨城県生まれ。立教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(関西学院大学)。ハーバード大学ライシャワー日本研究所客員研究員、サウスイースト・ミズーリ州立大学フォークナー研究所客員研究員(BioKyowa Award)、韓国済州大学校特別研究員、防衛大学校総合教育学群外国語教育室准教授などを経て、関西学院大学法学部・大学院言語コミュニケーション文化研究科教授。映画学、表象文化論、アメリカ文学専攻
加藤幹郎[カトウミキロウ]
1957年長崎市生まれ。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学博士。京都大学大学院人間・環境学研究科教授、ミシガン大学客員教授、カリフォルニア大学バークリー校、カリフォルニア大学ロサンジェルス校、ニューヨーク大学、ハワイ大学マノア校フルブライト客員研究員などを歴任。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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