出版社内容情報
疑問や違和感を問いの出発として、社会の現状や実態を知ることにとどまらず、多様性の中でのよりよい共同性を考えるために。本書は、これまでの社会学がいったいどのような問題関心のもとでどのような探求を展開し、何が知られ、何が未解決として残されているかを最新の知識を踏まえて説く社会学への入門の扉。
さらに、社会学がいかに現実へのアクチュアリティに満ちた探求を深化させているのかも明快に示す。
はじめに
第1章 社会学とは何か(盛山和夫)
1 共同性の学としての社会学
2 近代社会と社会学の成立
3 実証的研究の発展と理論的統合の挫折
4 現代社会学の展開と課題
5 学問としての社会学
第2章 自己と社会(浅野智彦)
1 社会学の対象としての自己??ミードの自己論
2 相互行為儀礼と自己??ゴッフマンの自己論
3 自己の変容についての理論
4 物語としての自己
5 多元化する自己
第3章 家族とジェンダー(村田泰子)
1 家族とジェンダーの深いかかわり
2 変わりゆく家族を捉えるこころみ
3 新しい歴史学とジェンダー
4 現代の家族と残された課題
第4章 市民社会と公共性(筒井淳也)
1 公共性についての社会学的問い
2 公共性と市民社会の歴史的展開
3 公共圏・市民社会と社会学における理論展開
4 公共圏と市民社会の課題
第5章 階級・階層(渡邊 勉)
1 階級・階層とは何か
2 階級論と階層論
3 階級・階層研究は何を問題にしてきたのか
4 日本の階級・階層研究は何を明らかにしてきたのか
5 階級・階層研究の現在
第6章 教育と労働(長松奈美江)
1 「教育と労働」における基本的問題
2 社会経済的背景と教育達成
3 学校から仕事への移行
4 日本における働き方
第7章 都市と地域社会(新 雅史)
1 人口減少とコンパクトシティ
2 都市の成長と都市の空間構造
3 都市はコミュニティを衰退させているのか
4 日本の都市・地域研究
5 都市の政治経済的分析
6 都市・地域研究の課題
第8章 社会運動(本郷正武)
1 社会運動へのさまざまなアプローチ
2 合理性/非合理性への着目??集合行動論と資源動員論
3 アイデンティティへの着目??「新しい社会運動」論
4 資源動員論のさらなる展開
5 現代の社会運動の持つ意義
第9章 エスニシティ(金 明秀)
1 エスニシティをめぐる3つの根源的な問題意識
2 人種や民族と呼んでよいのかという戸惑い??エスニシティの内実論
3 なぜ同化しないのかという驚き??エスニシティの形成論
4 何を求めているのかという疑問??エスニシティの運動論
5 日本におけるエスニシティ
第10章 福祉国家と社会福祉(盛山和夫)
1 福祉社会の成立と福祉の社会学
2 福祉の思想と論理
3 ソーシャルワークとその理念
4 福祉国家の危機とレジーム論
5 福祉社会のゆくえ
第11章 貧困と社会的排除(山北輝裕)
1 社会的排除論の背景
2 貧困や社会的排除はどのように調査されてきたか
3 障害者の自立生活運動
4 包摂の行方
第12章 セクシュアリティ(赤枝香奈子)
1 セクシュアリティとは何か
2 セクシュアリティ研究の歴史
3 セクシュアリティ研究の展開
4 ジェンダー研究との交差
5 性の多様性
第13章 健康と医療(進藤雄三)
1 健康と医療
2 医療社会学の基礎概念
3 医療社会学の焦点??精神医療,慢性病経験,健康格差
4 健康と医療をめぐって??医療社会学の到達点と展望
第14章 環境と科学技術(立石裕二)
1 科学技術と環境をめぐる問題
2 環境問題に対する社会学的アプローチ
3 科学技術に対する社会学的アプローチ
4 リスク社会における社会的意思決定
第15章 災害とボランティア(関 嘉寛)
1 災害はなぜ社会学の対象になるのか
2 災害サイクルと社会学的災害研究
3 災害ボランティアと被災者への寄り添い
4 災害に対して社会学は「役立つ」のか
第16章 メディアと文化(難波功士)
1 メディアとは,文化とは
2 メディアを産み出す社会
3 メディアを介した文化
4 メディアが産み出す社会
5 メディアと文化を社会学するとは
第17章 宗教(白波瀬達也)
1 宗教社会学の基本的な考え方
2 現代日本の宗教の概況
3 変化にさらされる宗教
4 現代宗教の新しい意義
第18章 犯罪と逸脱(佐藤哲彦)
1 売春をどう考えるか
2 「犯罪とは何か」という問い
3 逸脱研究の基礎的発展
4 逸脱研究の新展開
5 犯罪と現代社会
第19章 政治と国家(高原基彰)
1 政治は選挙とデモだけなのか
2 国民国家の形成と暴走
3 冷戦と民主主義の多様化
4 ポスト・フォーディズムとグローバリゼーション
5 討議と決定
第20章 グローバリゼーション(鈴木謙介)
1 グローバリゼーションとは何か
2 1980年代??地球規模の課題の出現
3 1990年代??自由化という不自由
4 2000年代??テロ以後の国際秩序
5 社会学の新たな課題
第21章 社会学の理論と方法(盛山和夫)
1 理論と方法をめぐる模索の歴史
2 社会学にはどんな理論があるか,もしくはあったか
3 社会調査の意義と方法
4 経験科学から構想の学へ
索 引
盛山 和夫[セイヤマ カズオ]
東京大学名誉教授
金 明秀[キム ミョンス]
2017年4月現在 関西学院大学社会学部教授
佐藤 哲彦[サトウ アキヒコ]
2017年4月現在 関西学院大学社会学部教授
難波 功士[ナンバ コウジ]
2017年4月現在関西学院大学社会学部教授
内容説明
本書は、これまでの社会学がいったいどのような問題関心のもとでどのような探求を展開し、何が知られ、何が未解決として残されているかを最新の知識を踏まえて説く社会学への入門の扉。さらに、社会学がいかに現実へのアクチュアリティに満ちた探究を深化させているのかも明快に示す。
目次
社会学とは何か
自己と社会
家族とジェンダー
市民社会と公共性
階級・階層
教育と労働
都市と地域社会
社会運動
エスニシティ
福祉国家と社会福祉〔ほか〕
著者等紹介
盛山和夫[セイヤマカズオ]
1948年鳥取県生まれ。1978年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、博士(社会学)。現在、東京大学名誉教授
金明秀[キムミョンス]
1968年福岡県生まれ。1996年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(人間科学)。現在、関西学院大学社会学部教授
佐藤哲彦[サトウアキヒコ]
1966年東京都生まれ。1997年京都大学大学院文学研究科中途退学、博士(文学)。現在、関西学院大学社会学部教授
難波功士[ナンバコウジ]
1961年大阪市生まれ。1993年東京大学大学院社会学研究科修士課程修了、博士(社会学)。現在、関西学院大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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