叢書・現代社会のフロンティア
ロックフェスの社会学―個人化社会における祝祭をめぐって

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 231,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784623078028
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C3336

出版社内容情報

なぜ若者はフェスに集まるのか? 文化現象としてのロックフェスティバルを分析、変容する個人と共同体の関係を読み解く。「ロックフェスティバル」と呼ばれる音楽イベントが日本で存在感を放つようになって久しい。ロックフェスはそれまでのコンサートやライブとはどう異なるのか、本書は豊富なフィールドワークの知見をもとにその構造と新奇性を分析するとともに、2000年以降の日本社会の変化とフェスの隆盛を関連づけ、現代の祝祭をめぐる個人と共同体のパラドキシカルな関係を問う。

はじめに



第1章 ライブでは何が共有されるのか

 1 フェスとライブ・エンタテインメントの現在

 2 メディア文化とライブ文化

 3 拡張現実としてのフェス



第2章 フェスにおける〈参加〉

 1 なぜフェスに行くのか

 2 コンサート・ライブにおける音楽聴取

 3 フェスにおける聴取



第3章 参加者の誕生

 1 〈参加〉は何によってもたらされるのか

 2 規範の形成

 3 〈参加〉の学習と草の根的な仲介

 4 フェスのアーキテクチャ



第4章 フェス前史――ロックフェスティバルとライブ空間の変遷

 1 コンサート・ライブの時代性

 2 日本のロックとロックフェスの黎明期

 3 コンサートの制度化

 4 ライブハウスの勃興



第5章 現代社会とイベント

 1 増殖するイベント

 2 イベント化するコンサート

 3 祝祭と共同体

 4 自己目的化するイベントと共同体の困難



第6章 個人化とフェス仲間

 1 余暇活動と自己実現

 2 集団化装置としてのフェス

 3 フェス仲間の形成



第7章 不確かな未来と〈いま・ここ〉の肯定

 1 ロストジェネレーションとフェス

 2 個人化社会におけるフェス



おわりに

音楽フェスティバル関連年表

参考文献

人名・事項索引

永井 純一[ナガイ ジュンイチ]
2016年8月現在 神戸山手大学現代社会学部専任講師

内容説明

「ロックフェスティバル」と呼ばれる音楽イベントが日本で存在感を放つようになって久しい。ロックフェスはそれまでのコンサートやライブとはどう異なるのか、本書は豊富なフィールドワークの知見をもとにその構造と新奇性を分析するとともに、二〇〇〇年以降の日本社会の変化とフェスの隆盛を関連づけ、現代の祝祭をめぐる個人と共同体のパラドキシカルな関係を問う。

目次

第1章 ライブでは何が共有されるのか
第2章 フェスにおける“参加”
第3章 参加者の誕生
第4章 フェス前史―ロックフェスティバルとライブ空間の変遷
第5章 現代社会とイベント
第6章 個人化とフェス仲間
第7章 不確かな未来と“いま・ここ”の肯定

著者等紹介

永井純一[ナガイジュンイチ]
1977年兵庫県生まれ。2012年関西大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、神戸山手大学現代社会学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うみぼうず

7
◆図書館本。◆「フェス」という単語が日常的に使われるようになってきた。フェスは参加することに意義がある。◆コンサートやライブから、音楽フェスティバルへの変遷を辿っていく過程は初めて知るもの。◆吉田拓郎の果たした成果は大きい。◆フェスへの参加は敷居が高いものではない。参加アーティスト目当てでも良いし、音楽を聴きながら芝生で寝ても良い。雰囲気を仲間とシェアするもの。◆不自由さを楽しむ。とは言え主催者側は設備管理は緻密に行い参加者の行動を制御していく。◆フェス仲間との緩やかな繋がりを持つ。2017/11/26

スプリント

5
ロックフェスには一回しか参加したことがありませんが、あの熱気と終わった後の虚脱感はなかなか他では味わえないものがありました。ロックフェスの歴史から参加者のフェスへの関与について社会学的に論じた本です。2017/01/28

すだま

2
Ah, but I was so much older then I’m younger than that now.面白かった。90年代末~2000年代にかけての音楽フェス通史を、ロスジェネ世代(恐らく著者も)の自己確立過程を下敷きにして論じている。様な気がする。バブル崩壊後の失われたx十年の中で現れた、マイルドな感性とでもいうべきものが、フェスの世界観にマッチしたのかね。自由度の高いイベントで、オンリーワンの経験を大切にする。という感覚は今では当たり前の事になっているけど、ここから始まったのかしら。2022/10/30

ふらぱん

2
筆者のフジロック愛がヒシヒシと伝わってきて、後書きを読み終えた後は目が潤んでしまった。 半分くらい分かる分かる分かると肯きながら読んでいたが、逆にフェスに行ったことのない人にとってはさっぱりかもしれない。 学生の論文のような感じもしたが、難しい部分もあり、不思議な本だった。2020/04/14

ガジュマル

2
ロスジェネが参加者となり作り上げた現在の祝祭。「フェス内格差」の考察がリアル過ぎて泣きそうになった。実際世間一般のフェスに対するイメージがパリピーとかリア充に寄っている感じがするから余計に。「おわりに」の天神山の地獄描写も当日いた者にしか分からない緊迫感が伝わった。2019/01/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11234058
  • ご注意事項