出版社内容情報
人類の文明史を文明交流中心に描き、世界史を関係性のもとで理解する〈間の文明論〉。 生命パラダイムからみた比較文明論の展開。世界史形成に遊牧民や交易民や海洋民が果たした役割を大きく評価して、人類の文明史を文明交流中心に描き、世界史を、陸にも海にも張り巡らされたネットワークの発展史としてとらえる試み。また、日本文明を、これらのネットワークの結節点として眺め、その世界史的位置を確かめる。中心文明や周辺文明中心に記述されてきた今までの世界史を反転し、文明と文明の間〈あいだ〉に注目して、それらを結ぶ役割を果たす〈媒体文明〉という新しい概念を提出。文明を、相互作用から自己形成する複雑系の一つとして理解し、環境論とともに、人類史の本質に迫る。
[文明の交流史観──日本文明のなかの世界文明]
まえがき
第一章 文明の生態史観批判
1 文明の生態史観
2 西欧文明と日本文明
第二章 草原の道文明交流圏
1 騎馬遊牧民の活躍
2 モンゴルと世界史
3 遊牧民のもたらしたもの
4 遊牧民と東西の文明
第三章 オアシス路文明交流圏
1 オアシス路と東西文明
2 仏教の来た道
3 イスラム文明の役割
4 オアシス路と日本文明
第四章 地中海文明交流圏
1 古代地中海文明の興亡
2 中世地中海文明の盛衰
3 西欧文明の抬頭
第五章 インド洋文明交流圏
1 古代インド洋交流圏
2 中世インド洋交流
3 近世インド洋交流圏
第六章 東アジア海域文明交流圏
1 古代東アジア海域交流圏
2 中世東アジア海域交流圏
3 西欧文明の登場
第七章 大西洋文明交流圏と太平洋文明交流圏
1 航海と文明の伝播
2 新旧大陸の交流
3 太平洋交流圏と日本
4 西欧近世と日本近世
第八章 複雑系としての文明
1 文明と交流
2 文明のネットワーク
3 媒体文明論
4 複雑系としての文明
註
あとがき
[付 論]
生命体としての文明
学際知としての比較文明学
文明と宗教を考える
文明とヴァーチャル・リアリティ
環境学の新しいパラダイムのために
環境創造について
文明三学
トインビーと私
後 記
小林 道憲[コバヤシ ミチノリ]
元 福井大学教授
内容説明
人類の文明史を文明交流中心に描き、世界史を関係性のもとで理解する“間の文明論”。生命パラダイムからみた比較文明論の展開。世界史形成に遊牧民や交易民や海洋民が果たした役割を大きく評価して、人類の文明史を文明交流中心に描き、世界史を、陸にも海にも張り巡らされたネットワークの発展史としてとらえる試み。日本文明を、これらのネットワークの結節点として眺め、その世界史的位置を確かめる。
目次
文明の交流史観―日本文明のなかの世界文明(文明の生態史観批判;草原の道文明交流圏;オアシス路文明交流圏;地中海文明交流圏;インド洋文明交流圏;東アジア海域文明交流圏;大西洋文明交流圏と太平洋文明交流圏;複雑系としての文明)
付論(生命体としての文明;学際知としての比較文明学;文明と宗教を考える;文明とヴァーチャル・リアリティ;環境学の新しいパラダイムのために;環境創造について;文明三学;トインビーと私)
著者等紹介
小林道憲[コバヤシミチノリ]
1944年福井県生まれ。1963年~1972年京都大学文学部、同大学大学院文学研究科で哲学(西洋哲学史)を専攻。1972年~2010年福井大学教育学部(後・教育地域科学部)講師、助教授、教授、および、同大学大学院教育学研究科教授。1999年~2011年麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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