国際政治理論―パズル・概念・解釈

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  • サイズ A5判/ページ数 222p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623076666
  • NDC分類 319
  • Cコード C3031

出版社内容情報

リアリズムとリベラリズムの政治理論を学び、現実の国際関係を見通すスタンスを身につける。本書の目的は、国際関係を見通すリアリズムおよびリベラリズムの諸理論を理解することである。現実のグローバル・イシュや時事からパズル(問い)を考察することで、概念を導き、解釈を加える。理論から現実を見て、また現実から理論を見ることによって、自己の対象に対してのスタンスを得られるようにする。難しいと思われがちの理論を登場の歴史的経緯から、事例に基づきわかりやすく学ぶ入門書。

はしがき

本書で取り上げる国際政治流れ(イメージ)



序 章 国際政治理論とは何か

 1 国際政治をみる目

 2 国際政治が演劇ドラマなら理論家は演劇批評家

 3 アメリカでは2分法,英国では3分法

 4 理論における偏狭性(パロキュアリズム)

 5 日本発の国際政治理論はあるのか



第1章 古典的リアリズムの理論

 1 古典的リアリズムの内容

 2 主唱者

 3 意  義

 4 批  判

 5 ネオリアリズムへ



第2章 覇権安定論

 1 登場する背景

 2 理論の内容

 3 評価と批判

 4 覇権後の理論へ



第3章 ハード・パワーとソフト・パワー

 1 新しいパワー概念が登場する背景

 2 ハード・パワーとソフト・パワーの分類

 3 構造的パワーと関係的パワー

 4 意義と問題点



第4章 国際社会論

 1 豪傑君・洋学紳士君・南海先生

 2 英国学派

 3 ブルの国際社会論

 4 国際社会の変容

 5 評  価



第5章 機能主義

 1 登場する背景

 2 ミトラニーの思想

 3 理論と前提

 4 疑  問



第6章 新機能主義

 1 登場する背景

 2 理論の内容

 3 批  判

 4 評  価



第7章 国際的相互依存論

 1 登場する背景

 2 コヘインとナイの国際的相互依存論

 3 平和戦略としての国際的相互依存論



第8章 国際レジーム論

 1 登場する背景

 2 理論の内容

 3 類似概念との区別

 4 評価と批判



第9章 グローバル・ガバナンス論

 1 登場する背景

 2 理論の内容 

 3 類似概念との区別

 4 現実との関連性

 5 評価と課題



第10章 デモクラティック・ピース論

 1 登場する背景

 2 理論の内容

 3 評価と批判

 4 理論への誤解



第11章 構成主義理論

 1 注目される背景

 2 理論の内容

 3 説明能力

 4 評  価 



第12章 政策決定論

 1 登場する背景

 2 アリソン・モデル

 3 アリソン・モデルの評価と課題

 4 理論の発展



終 章 歴史に学ぶ国際政治理論

人名索引/事項索引



Column

  明治日本の富国強兵・殖産興業政策

  日本におけるリアリスト??明治時代の元老

  朝河貫一イェール大学・歴史学教授(1873~1948年)

  キリスト教リアリスト??ラインホールド・ニーバー

  地滑り的現象としての第1次世界大戦

  公共財と私的財

  覇権循環論

  アメリカのただ乗り論にNATO加盟国が反論

  カフェ談義??町内の有力者と地元の公園

  マーティン・ワイトの見直し

  デイヴィッド・ミトラニーと機能主義

  ユネスコ

  世界遺産登録と世界記憶遺産登録

  ベラ・バラッサによる経済統合の諸段階

  地域という概念および地域主義

  経済摩擦はなぜ生じるのか

  プロダクト・サイクル論と雁行形態論

  敏感性・脆弱性と複合的相互依存

  カフェ談義??北朝鮮とどうつきあうか

  囚人のジレンマと軍拡競争

  国際レジームとアイデンティティ

  ワシントン体制か,ワシントン条約時代か?

  日本のNPT参加をめぐるカフェ談義

  公共性について

  日本は民主主義の国か?

  国際政治学における計量分析とデータベース

  最悪事態への対処と透明性

  アイデンティティをめぐる国際政治

  次世代にどう伝えるか

  総力戦について

  歴史の記憶

  認知構造図の作り方



大芝 亮[オオシバ リョウ]
2016年6月現在青山学院大学国際政治経済学部教授

内容説明

リアリズムとリベラリズムの政治理論を学び、現実の国際関係を見通すスタンスを身につける。

目次

国際政治理論とは何か
古典的リアリズムの理論
覇権安定論
ハード・パワーとソフト・パワー
国際社会論
機能主義
新機能主義
国際的相互依存論
国際レジーム論
グローバル・ガバナンス論
デモクラティック・ピース論
構成主義理論
政策決定論

著者等紹介

大芝亮[オオシバリョウ]
1954年生まれ。1989年イェール大学Ph.D.。一橋大学副学長、大学院法学研究科長・教授、日本国際政治学会理事長を歴任。現在、青山学院大学国際政治経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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たけふじ

1
ロシアのウクライナへの侵攻について理論の面から考え直してみようと再読。ロシアの動きはどう解釈しても「国力を用いて国益の最大化を目標とする」古典的リアリズムの世界そのものでしかない。リベラリズム的な国際レジームやグローバルガバナンスは主要な分析軸にはなり得ないだろう。ナイとコヘインの言う敏感性/脆弱性の議論は相互依存の深化による平和構築ではなく各国に痛みを与える方向に進んだ。ロシア国内では「自国は西側からの侵略を受けている」という間主観があるから戦争に突入できたと考えれば構成主義でも分析できるかもしれない。2022/06/14

Moloko

1
初学者向けに書かれたものだが、理論の説明に重点を置いていて、類書に比べれば細々とした国際政治の事実を省いている分、理論の紹介と分析に注力できていて、勉強しやすかった。2016/10/12

たけふじ

0
学部時代に大芝先生の授業を受けていたが、やはりわかりやすい。各章は大学生のカフェ談義から始まり、理論の解説、批判点と代表的な論者の名前を引きながら進む。マトリクスも多く、初学者が理解しにくいところも丁寧にカバーしている。私は歴史畑の人間なので、理論と歴史の融合を図ろうとする筆者の論は興味深く読んだ。2017/09/29

エルガリアン

0
初学にも復習にも最適な分かりやすい教科書。各章が大学生の会話から始まる構成や、随所に出てくる独特の喩え話(のび太がブリッジやポーカーで連勝?)など読者を飽きさせない笑いもあり。リアリズム/リベラリズムを基軸にしつつ、その問題点も念頭に置いて英国学派や構成主義にも章を割く。各章でそれぞれの理論の評価と批判・欠点を並べている良識的な構成。アリソンモデルに1章を割いているのも特徴的。本題ではないが、端書きや終章で著者が発する「日本におけるIR」を問うメッセージも響く内容で、そこだけでも一読の価値あり。2016/08/02

サブロウ

0
国際政治のさまざまなな理論をそれぞれ20ページくらいでまとめてあって非常に良い教科書。 今までモヤモヤしてたところもクリアになった。それぞれの理論の共通点と異なる点を折に触れて解説しているので、整理がつきやすい。 あとがきで、日本の国際政治の理論研究(日本学派)がないことに触れ、歴史研究と理論研究の縦割り的関係に横串をさして、思考回路の違う両者を融合した研究が、構成主義や個人や非合理性の分析の重要性が考えられている今、重要性が増していると日本の今後の研究への期待を込めて主張している。2022/02/06

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