出版社内容情報
アトリー、チャーチル、ウィルソン、サッチャー、ブレア、キャメロン… 山積する課題に対し、英国はいかに向き合ったか。日本人にとって民主主義のモデルとされてきたイギリス政治の実態とは。かつて世界大国であったイギリスは、戦後に中規模国家に落ち着く中で、いかなる課題に直面したか。経済危機、労使紛争、欧州統合、対外戦争など、山積する国内外の諸問題に対して、歴代政権はどのように対処したのか。とりわけ首相のリーダーシップに焦点を当てて、模索と再編
の過程を描き出す。キャメロン政権を加えた待望の第2版。
第2版はしがき
初版はしがき
序 章 イギリス政治の安定と変化(力久昌幸)
第?部 新しい国づくり
第1章 戦後政治の開幕──アトリー政権 1945~51年(梅津 實)
1 新しい出発
2 福祉国家の建設
3 1947年の危機
4 国際社会への対応
5 軍拡予算をめぐる攻防
6 アトリー政権の遺したもの
コラム1-1 ベヴァリッジ報告
1-2 原爆の開発
1-3 選挙・議会の改革
第2章 帝国後のイギリスの国際的役割の模索──第三次チャーチル政権 1951~55年(戸澤健次)
1 第三次チャーチル内閣までのチャーチル
2 第三次チャーチル内閣の経済・社会政策
3 チャーチル首相の最優先事項
4 チャーチルの退陣
5 第三次チャーチル内閣におけるリーダーシップ
コラム2-1 不適切な服装
2-2 1951年保守党総選挙マニフェスト
2-3 長期展望
第3章 「豊かな時代」と保守党政権の盛衰──イーデン・マクミラン・ダグラス=ヒューム政権 1955~64年(小川浩之)
1 イーデン政権の成立
2 スエズ危機からマクミラン政権へ
3 1959年総選挙と第二次マクミラン政権
4 保守党優位の揺らぎ
5 ダグラス=ヒューム政権と総選挙での敗北
コラム3-1 「RAB」バトラー
3-2 「イギリスは帝国を失い、いまだに役割を見つけていない」
第?部 安定を目指して
第4章 イギリスの現代化を目指して──第一次ウィルソン政権 1964~70年(力久昌幸)
1 首相への道
2 イギリスの現代化
3 ポンド防衛の挫折と「闘争に代えて」
4 帝国からヨーロッパへ
5 ウィルソン再評価
コラム4-1 ポピュリストとしてのウィルソン
4-2 ウィルソン名(迷)言集
4-3 キッチン・キャビネット
第5章 「Uターン」──ヒース政権 1970~74年(成廣 孝)
1 首相就任以前のヒース
2 継承戦争から「セルズドン・マン」へ
3 苦難に満ちた政権運営とコンセンサスの崩壊
4 1974年の二つの選挙
コラム5-1 北アイルランド問題
第6章 労働組合の時代──第二次ウィルソン・キャラハン政権 1974~79年(梅川正美)
1 労働組合に支えられたウィルソン
2 EEC国民投票とウィルソンの辞任
3 話し合いの政治家キャラハン
4 危機に直面するキャラハン
コラム6-1 TUC(労働組合会議)
6-2 リチャード三世
6-3 バノックバーンの戦い
第?部 復活への挑戦
第7章 「戦後コンセンサス」の破壊──サッチャー政権 1979~90年(小堀眞裕)
1 サッチャーの生い立ちと思想
2 政権獲得とインフレとの闘い
3 フォークランド戦争と1983年総選挙
4 内外の闘い
5 公的サービスの改革とヨーロッパでの挫折
コラム7-1 戦後コンセンサス
7-2 パブリック・スクール
7-3 クワンゴ(Quango)
第8章 分裂する保守党の自画像──メイジャー政権 1990~97年(阪野智一)
1 メイジャー政権の誕生
2 サッチャー退陣後の蜜月
3 ERM離脱とヨーロッパ問題をめぐる党内対立
4 サッチャー以上のサッチャー主義改革
5 保守党危機のスパイラル
コラム8-1 保守党党首選挙の仕組み
8-2 刑務所に民間活力
8-3 新聞の党派性と一九九七年総選挙
第9章 ひび割れていく「大統領型」首相──ブレア・ブラウン政権 1997年~2010年(近藤康史)
1 ブレアとブラウン──盟友からライバルへ
2 内政のブラウン、外交のブレア──第一期ブレア政権 1997~2001年
3 ひび割れていく「大統領型」リーダーシップ──第二期ブレア政権 2001~05年
4 レームダック化するブレア──第三期ブレア政権 2005~07年
5 信頼回復に向けた困難なリーダーシップ──ブラウン政権 2007~10年
コラム9-1 ダイアナ元皇太子妃葬儀
9-2 ブレアとキリスト教
9-3 ブラウンの腹心、エド・ボールズ
第10章 「ブレアの後継者」から「サッチャーの息子」へ──キャメロン政権 2010年~(池本大輔)
1 首相への道
2 保守自民連立政権の誕生
3 経済危機への対処──財政赤字削減と新たな成長モデルの模索
4 スコットランドとEU──領域をめぐる政治
5 外交政策
6 キャメロン政権の業績
コラム10-1 選好順位指定投票制
資 料
イギリス現代政治史年表(大村和正)
事項索引
人名索引
梅川 正美[ウメカワ マサミ]
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阪野 智一[サカノ トモカズ]
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力久 昌幸[リキヒサ マサユキ]
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内容説明
日本人にとって民主主義のモデルとされてきたイギリス政治の実態とは。かつて世界大国であったイギリスは、戦後に中規模国家に落ち着く中で、いかなる課題に直面したか。経済危機、労使紛争、欧州統合、対外戦争など、山積する国内外の諸問題に対して、歴代政権はどのように対処したのか。とりわけ首相のリーダーシップに焦点を当てて、模索と再編の過程を描き出す。キャメロン政権を加えた待望の第2版。
目次
第1部 新しい国づくり(戦後政治の開幕―アトリー政権・一九四五~五一年;帝国後のイギリスの国際的役割の模索―第三次チャーチル政権・一九五一~五五年;「豊かな時代」と保守党政権の盛衰―イーデン・マクミラン・ダグラス=ヒューム政権・一九五五~六四年)
第2部 安定を目指して(イギリスの現代化を目指して―第一次ウィルソン政権・一九六四~七〇年;「Uターン」―ヒース政権・一九七〇~七四年;労働組合の時代―第二次ウィルソン・キャラハン政権・一九七四~七九年)
第3部 復活への挑戦(「戦後コンセンサス」の破壊―サッチャー政権・一九七九~九〇年;分裂する保守党の自画像―メイジャー政権・一九九〇~九七年;ひび割れていく「大統領型」首相―ブレア・ブラウン政権・一九九七年~二〇一〇年;「ブレアの後継者」から「サッチャーの息子」へ―キャメロン政権・二〇一〇年~)
著者等紹介
梅川正美[ウメカワマサミ]
愛知学院大学法学部教授
阪野智一[サカノトモカズ]
神戸大学大学院国際文化学研究科教授
力久昌幸[リキヒサマサユキ]
同志社大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。