内容説明
人口減少地域社会での持続可能性。柳田國男「郷土生活研究」から「一村一品運動」…各地の事例を包括した、汎用性豊かな理論地域社会学。
目次
第1章 地方日本の消滅論と地方創生問題
第2章 地方消滅と少子化対策問題
第3章 サステナビリティ論による地方創生研究
第4章 コミュニティのDL理論と内発的発展
第5章 地方創生と労働者の福祉活動
第6章 介護のマイクロマクロ問題
補論 巨大企業と都市開発問題―室蘭調査から
著者等紹介
金子勇[カネコイサム]
1949年福岡県生まれ。1977年九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、神戸学院大学現代社会学部教授。北海道大学名誉教授。文学博士(九州大学、1993年)。第1回日本計画行政学会賞(1989年)、第14回日本都市学会賞(1994年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
28
何を起点とした地方創生を目指すかが明らかになれば、面づくりの可能性が探究可能になる(29頁)。 高齢化が進み、子どものいない高齢者が増えたら、ウィークエンドファーマーも近隣他出の後継ぎ世代も乏しくなり、小田切徳美、徳野貞雄の図式は通用しない(31頁)。 増田消滅論、山下消滅の罠、小田切消滅しないの各論に欠けているのは、高齢化では単身の高齢者への具体的支援が論じられてない。介護高齢者と家族も取り上げられていない(55頁)と批判されている。 2018/04/25
maqiso
2
全国で起こる人口減少に抗する地方創生には、個別事例から一般的な法則を引き出して全国に展開する必要がある。住民の目標と意識が高く、産業や景観などの資源を利用でき、統率力のあるリーダーがいればうまくいく。批判と事例は具体的で分かりやすいが、理論は抽象的で難しい。2020/03/27
じょういち
1
第4章のDLRによる分析手法は、目標設定と実行能力にベースとしての固有資源を加えたもので、形として表す分には面白いと思った。ただ、合点がいったのはほぼそこだけで、あとは言いがかりとも受け取れる批判のオンパレードで、それに対する論述も結局はキーパーソン論に落ち着く等目新しさを欠き、農村の活性化について言いたいのか、都市部の介護問題を語りたいのか、論点さえぼやけたまま終わった。帯には柳田國男の名前があったが、柳田民俗学への言及はごくわずかで、「柳田」の文字に騙された人も多いかもしれない。2016/04/25
私的読書メモ3328
1
学問でも科学でもない社会学の典型のように感じました。同じテーマを扱った他の著書・著者への批判が延々と繰り返されますが、そこまで断言するほどの根拠は示されておらず、また論旨の一貫性に欠けるように思います。2016/04/13